知的障害を持ち、「働きたい!私のシンポジウム」で講演をした 熊王(くまおう) 孝弘さん 金沢区在勤 21歳
できることは何でも挑戦
○…生まれつき知的障害を抱え、漢字の読み書き、難しい言葉の理解など勉強全般が苦手だ。しかし、自立したい思いが強く、養護学校を卒業し磯子区の施設で2年間就労移行支援を受けた。挨拶など社会人マナーを座学で、併設するホテルのリネンを扱うクリーニング工場で実技を学んだ。現場で実際に目で見て覚えるほうが得意だったという。「工場は暑くて大変だったが、周りも頑張っているので一生懸命にやった。働くことの楽しさや大変さを知った」
○…現在は金沢区の介護老人保健施設で働く。主な仕事はシーツ交換。「希望していた職種ではなかったが、就労移行支援施設の所長に手先が器用なので向いてると勧められた」。人と話すのが好きなので仕事は大変だが楽しいという。勤め始めて1年が過ぎ、今は配膳やドライヤーとできることも増えた。「自分も障害があるので高齢の方の不自由さも分かる。自分だから出来る介護があると思う」と話す。目標は介護資格の取得。「本を読むのは難しいので動画で勉強している。やれることを増やしたい」
○…約2年半前からグループホームで暮らし、身の回りのことは自分で行う。「料理もする。馴染みのラーメン屋さんに教えてもらい、その店の味を再現したりします」。趣味はソフトボール。「学生時代は野球部で投手。色々な選手の投げ方を研究していた」。今も職場のソフトボール大会に出場したり、障害を持つ友人とチームを組み活動する。
○…「今は仕事もプライベートも充実している」と笑顔で話す。大切にしているのは「出来ることは何でもやること」。一人暮らしや資格の取得、やりたいことはたくさんある。「夢は大きく。やらずに後悔するよりやって後悔したい」
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2021年2月25日号