コロナ禍により自主事業が延期・中止となっていた磯子区の杉田劇場で7月7日、横浜夢座による朗読劇「真昼の夕焼け」が行われた。劇場再開後初の自主企画事業で、女優の五大路子さんらが杉田小学校6年生児童に平和を訴えた。
「真昼の夕焼け」は、横浜大空襲の被災体験を描いた朗読劇。五大さんが座長を務める横浜夢座は5年前から平和を訴える活動として、杉田劇場で区内の児童に朗読劇を披露していた。今年は新型コロナウイルスの影響で開催のめどがたっていなかったが、「こんな時だからこそ」という中村牧館長の呼びかけで開催が決まった。
当日は、杉田小学校6年生児童81人が同劇場を訪れた。観客席は一席ずつ空席を設け、距離を十分に保ち、会場も入退場扉を開けたままに。観客席と舞台の間に「紗幕」を設置し、出演者は正面を向かず、斜めのまま声を大きくしない飛沫防止対策を徹底した「コロナ対応」で行われた。
事前学習で、焼夷弾の現物を見ていた城戸時康くん(11)は「目をつぶって聞いていたら、その場にいたような気持ちになった。家族の大切さを改めて感じることができた」と感想を話した。
コロナ禍で上演の機会がなくなっていたという五大さんは「声を小さくしたり、斜めからの朗読だったりといつもと違う形式で、児童に思いが届いているか不安だったが、『戦争の悲惨さが伝わった』と感想をもらい、うれしくなった」と振り返った。
また、中村牧館長は「色々と初の試みもあったが、無事に終えられホッとしている。このような状況でも自主企画事業が実施できることを確認できた」と手ごたえをつかんだ様子だった。
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