県政報告 「9月補正予算」が可決 神奈川県議会議員 あらい絹世
1621億円余に上る本年度9月補正予算案が9月8日開会の県議会第3回定例会本会議に提案され、10月15日に可決されました。補正予算は新型コロナウイルス感染症対策が主で、医療提供体制を維持し、感染拡大を防止するための各種措置の財源が組み込まれています。
「診療・検査体制の維持」では、患者等の受け入れに必要な病床確保等に関する空床確保料を補助し、行政検査の民間検査機関への委託、検査費用の自己負担相当額の公費負担を行うための財源を計上しています。9月上旬で約2200床だったものを2400床まで拡大した場合に備えてのものです。「軽度・無症状患者宿泊療養施設の借り上げ等」でも9月上旬でホテルの約2800室だったものが約3800室まで拡大してもいいように予算を計上して(223億円余)います。
他方で県は9月8日に令和4年度当初一般会計予算案の編成作業の参考にするための財政収支見通しを発表しました。それによると歳入が2兆150億円、歳出が2兆1000億円で850億円の財源不足となり、県財政は「引き続き危機的な状況」にあるとしています。コロナ感染症対策に加え、台風などの自然災害への対応などによる追加の財政需要が生じる可能性があります。その一方で、財政調整基金は赤字である再生団体に陥らないため660億円を超える残高が必要とみられていますが、度重なる補正予算により取崩され、残高が300億円となると見込まれています。来年度予算編成に際しては、事業の優先順位を見極め取捨選択していく必要があります。
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