神奈川県内各地で被害が増えている「還付金詐欺」や「オレオレ詐欺」などの特殊詐欺。金沢区と磯子区でも今年4月末までの被害件数は前年と比べてともに増加しており、各警察署は被害抑止へ対策を続けている。
「被害は身近に」
金沢警察署管内では、今年1月から4月末までに20件、約4000万円の特殊詐欺被害が発生した。前年同時期と比べて被害額は約1000万円減少しているものの、件数は6件増えた。
手口別では還付金詐欺が9件、オレオレ詐欺が8件、預貯金詐欺と架空請求詐欺、キャッシュカード詐欺盗が各1件。年度末の3月に医療費などの還付金があるとだまし、ATMを操作させて現金を振りこませる被害が急増した。
そうした状況に、同署は区内各地のATMでの呼びかけを強化。週に数回だった頻度を増やし、毎日どこかのATMで署員が警戒にあたっている。同署の担当者は「自分が被害に遭うとは思っていない人が多い。他人事ではなく、被害は身近にあると認識して注意してほしい」と強調する。
依然多い「かばんなくした」
一方、磯子区で4月末までに発生した被害は16件、約3990万円(前年同期比4件増、約2700万円増)。内訳はオレオレ詐欺が6件、次いで還付金詐欺が5件、職権盗3件、預貯金詐欺2件と続く。
最多のオレオレは、子どもや孫を装って「会社の書類が入ったかばんをなくしてしまいお金が必要」などと電話をかける典型的な事例が依然として多い。磯子警察署の担当者によると、犯人は相手に考える時間を与えないように「すぐにお金が必要」と迫り、お金を引き出す際に金融機関で伝える理由なども指示する場合もあるという。
高齢者の周囲も意識を
両区ともに被害者の多くは70代以上となっており、両署は高齢者を中心に注意喚起を続けている。ただ、長年にわたって被害が続いている状況から「ご家族や福祉関係者といった高齢者を支える方々も、身の周りで被害があることを意識してもらえると抑止につながるはず」と磯子署の担当者。時期を問わず犯行の前兆となる電話が続いていることから、「電話で『お金』『キャッシュカード』『還付金』といった言葉が出たら疑って。周りの人も異変を感じたら声をかけてあげてほしい」と話している。
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