ダンス公演「Danse Noble」が8月11日(日)に横浜赤レンガ倉庫1号館3階ホールで開催される。上演作品の1つ「白鳥の歌」は、1972年に20歳で谷桃子バレエ団=東京都=に入団、現在も現役のバレエダンサーとしてステージに立つ金沢区平潟町在住の尾本安代さん=人物風土記で紹介=がソロで踊る。
尾本さんは「舞台に立ち半世紀以上。飛んだり回ったり、完璧なテクニックを見せるのは難しくなってきた。でもまだ勉強できることがある、やり続けないと分からないことがある」と話す。踊りへの飽くなき探究心は尽きることがない。
バレエと歩んだ半世紀
平潟町で生まれ育った尾本さんがバレエを始めたのは11歳の時。母が厳しく、一人で通える範囲にバレエ教室がなかったため、六浦の「根本美香バレエスクール」の開設とともに通い始めた。「バレエに夢中で、今より上手になりたい、バレエのレッスンがしたい」という一心だったと振り返る。
高校生で谷桃子バレエ団の準団員、短大卒業と同時に20歳で同バレエ団に入団し、現在もシニアプリンシパルとして団に所属している。
「以前は20歳前後でプロとして踊り始め、40歳頃には引退。現役は約20年といわれていた」というクラシックバレエ界。尾本さん自身は31歳で結婚、出産を経て、今も現役で舞台に立つ。40歳過ぎから若い世代と一緒に舞台に立つ機会も増えたという。
決められた技術で踊る古典的なバレエに対し、コンテンポラリーダンスは踊り手の感性が勝負。「年齢はカウントでしかない。個人の持っている感性で表現でき、役者として何かを表現することの面白さに目覚めた」と話す。
踊り続けられる理由は「何年も休まず、ずっと継続して続けているから」。舞台に立ちながら海外のバレエコンクールの審査員を務めるなど多忙だが、「これからは地域の人たちと一緒に芸術活動ができれば」。
円熟した表現見どころ
振付は、フリーの舞踏家・振付家の苫野美亜さん=港北区在住。「精神性が際立つ作品にしたかった。手の動作一つとっても、肉体や精神の研鑽を積み重ねてこられた尾本先生にしか出せない表現が見どころ」と苫野さん。「身体のピークは超えても精神的なものや表現力は増していく。現在のありのままの表現を見に来てほしい」と尾本さんも話す。
当日は「白鳥の歌」のほか、京都・龍安寺の石庭から着想を得た「十四夜月」など5作品が披露される。国内外で活躍する世代もバックグラウンドも異なるダンサーが1日限りのパフォーマンスで魅了する。苫野さんは「舞踊は時間芸術。1回きりの生モノの表現を観に来てください」。
午後1時から3時、午後5時から7時の2回公演(開場は各30分前)。チケットは全席自由で前売り7000円、当日7500円。学生4000円。購入は【URL】https://teket.jp/6598/34424から。
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