9月にアメリカで行われる障害者馬術の世界選手権に出場が内定した 稲葉 将さん 金沢区富岡東在住 23歳
進んだ先にパラ五輪出場も
○…「今年の目標は世界選手権出場」と1月に話した通り、7月にドイツで行われた選考大会で出場を決めた。「正直、(今大会の)成績がよかったわけではないので、ピンとこなかった。でもじわじわと喜びが沸いてきた」と笑顔を見せる。「個人的な入賞は難しそうだが、ベストを出せれば団体ではチャンスがあるかも」と初の世界選手権に意欲を燃やす。
○…脳性まひのため、生まれつき両足に障害がある。今でも足を引きずりながら歩く。だが、「自分にとっては普通の状態。障害がつらいという感覚は全くない」と明るく話す。乗馬との出会いは小学6年の2月。「馬と一緒に、日常では体感できないスピードが味わえる」と、すぐに夢中になった。始めて1年もたたずに横浜市の馬術大会で優勝するまでになった。
○…「今後世界で活躍するために何が必要か」と考え、英語を磨くため大学3年から約9カ月、競技を離れてオーストラリアに留学した。「今、選手団の中で英語を話せるのは自分だけ。”コイツがいないと”という存在になれれば」。現在、週の半分以上は静岡の名門乗馬クラブで練習にはげむ。「沢山のうまい人が近くにいるので、刺激になる」。このクラブに所属しなければ、試合に出られていない――そんな思いが「いい成績を残し恩返しをしたい」と背中を押す。
○…競技生活は順風満帆。今年4月からは虎ノ門ヒルズにある会社に障害者アスリート雇用され、練習に専念できる環境が整った。「(両親や会社には)好きなことをやらせてもらっている。感謝してもしきれない」。競技を続けるために今後必要となるのは、スポンサー探し。「今何ができるか考えてコツコツと進んでいきたい」。その先に、2020年の東京パラ五輪出場があればと願う。
|
<PR>