洋光台北団地一街区自治会の敬老会で指笛の演奏を行った 小越 和弘さん 洋光台在住 59歳
指笛をより多くの人に
○…人さし指を口にくわえて鳴らすことで、音楽を奏でる指笛。敬老会でその音色を披露した。「指笛は、指導を受けても音を出せない方が多く、演奏できる人は少ない。敬老会に出席していた高齢者の方でも、生で聴いたことがある人は2、3人しかいませんでした。私の演奏をきっかけに、『指笛っていいな』と思ってもらえる方が1人でも増えたら嬉しいですね」。我が子を語る父親のような穏やかな表情で、指笛を語る。
○…指笛の創始者とも呼ばれる田村大三氏との出会いは、25歳のとき。テレビで演奏を聴き、衝撃を受けた。「すぐにコンサートに出掛けまして、そこで聴いた生の音の素晴らしさに自然と涙が止まらなかった」と振り返る。その後、田村氏に弟子入り。教室に通って腕を磨き、数々のコンサートやテレビ番組に出演した。仕事の多忙さもあり、10年間遠ざかっていたが、娘の結婚で披露することになり、今年から再び練習を始めた。「以前より自分の音の幅が広がっていてびっくりしました。指笛はやればやるほど奥が深いなと」。
○…出身は保土ケ谷区。小さい頃は悪ガキで、とにかく親に迷惑をかけていたという。「小学5年生のとき、親父にこっぴどく怒られて、体が飛ぶくらい何度も殴られたんです。でも私のことを思って、本気で怒ってくれたことが分かって。それからはガラッと変わって、勉強にもまじめに取り組みましたよ」と、目を細める。大学卒業後、数学教諭として私立高校に就職。30歳前に友人と学習塾を開き、40歳の頃には個人で塾経営を始めた。現在も小学生から高校生までの子どもたちの指導にあたる。
○…娘2人は独立し、妻と二人暮らし。趣味は、夫婦での街道歩き「今年5月には、3年かけて続けてきた、東京日本橋から京都三条大橋までの中仙道制覇も達成したんです」。好奇心を持つこと、それを持ち続けること。その大切さを体現しているような御仁だ。
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