念願の個展開催と写真集出版を行った 奥田 恭子さん 洋光台在住
命の「触れ合い」写す
○…写真展「大地に生きる アフリカの動物たち」。洋光台在住の女性医師が写した写真が並ぶ。同名の写真集もリリースした。1万5千カットの中から選び抜かれた作品。アフリカでの撮影は6度に及んだ。足を運んだきっかけは、写友の写したその景色に感動したため。砂ぼこりの舞うサバンナを、重たい機材を抱えて一日中走り回った。女性に撮れる限界の写真だ。
○…強調するのは「写真は道楽」だということ。医師会での広報担当の経験がカメラとの出会いだった。写真家・浜口タカシ氏に師事したのは2004年。「やるからには作品を」という言葉が後押しとなり、個展の開催を夢見た。新たなステップとして訪れたサバンナには、思ったほど動物がいない。決して思い通りに進まない撮影。それを支えたのは「自然を愛でる心」と「過酷な土地にも踏み出す姿勢」。これには学生時代に所属した山岳部・スキー部での経験が重なる。
○…千葉県出身。洋光台で皮膚科の開業医として働く。医者を志したのは高校時代。「手に職をつけたい」と考えていた。大学卒業後、研修を行ったのが横浜。研修医である夫と出会ったのもこの時だ。医院の開業は33年前。当時の洋光台には皮膚科がなく、仕事をするにも、子育てするにもちょうどいい場所だった。現在は2人の子どもも、医師と歯科医師として活躍する。
○…普段は診察、医院経営、医師会の役員と、ハードな毎日を送る。忙しくても、患者の気持ちに寄り添うことを忘れない。その姿勢には「人と触れ合うことが好き」という性格が表れる。「仕事は楽しく」が理想だ。写真との両立には周囲の協力が大切。医院は長女が、撮影は夫がサポートする。家族内での思いやりが基盤だ。個展の開催・写真集の出版に際しても、支えてくれた方々への感謝を何度も口にする。次の舞台はバングラデシュ。カメラが捉える先には「人の触れ合い」がある。
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