『杉劇リコーダーず』をはじめ『吹楽の旅』の一員として、リコーダーの音色を地域に届ける 藪 清久さん 杉田在住 69歳
笛の音楽しむ演奏家
○…リコーダー片手に、どこへでも演奏に赴く。『杉劇リコーダーず』の一員として、4年前から区内の祭りや東日本大震災の被災地など、数々のステージに立ってきた。今年3月には、演奏を楽しむ『吹楽の旅』というグループを立ち上げ、活動の幅を広げる。「プロじゃないから失敗も気にせず、楽しく吹いているよ」。気さくな雰囲気で、演奏への思いを口にする。
○…「趣味になればと思って」。定年後、知人に誘われ笛の世界へ。簡単な曲を練習しては一人、音色を楽しんだ。らびすた新杉田の祭りで杉劇リコーダーずと出会い「大勢で演奏した方がいいだろう」とグループに参加。一人の音色と合奏のハーモニー、両者の魅力を感じながら笛の世界にのめり込む。仲間と立ち上げた『吹楽の旅』では杉劇リコーダーずでも訪れた気仙沼を慰問。音楽をきっかけに各地で交流を広げる。
○…戦後の混沌を経て、物心ついた頃から東京・中野で暮らす。「近所は畑ばかりで、野菜を盗っては怒られた」と、やんちゃな幼少期を振り返る。小学校の音楽の授業で吹いたハーモニカが楽しく、中・高と吹奏楽部でクラリネットを担当。卒業後はレコード会社に就職し、音楽と共に人生を歩む。36歳の時、念願叶って横浜の支店へ。「大晦日に汽笛と除夜の鐘が聞こえた」と興奮を口にする。憧れの港町で聞いた音色は、今でも耳に残る。
○…「熱くなれるものに接していた方がいい」と、テレビでスポーツを観るのも好きだ。「ルールを知ると、より面白く観られるよね」と勉強熱心な一面をのぞかせる。その姿勢は笛のテクニックにも。「息の出し方や舌の使い方で音が変わる。難しいけど、覚えていくと楽しいよ」とにっこり。地元・杉田には行きつけの店もあり、顔の知れた仲間もいる。「笛の音が身近じゃない人にも、音楽っていいなと思ってもらえれば」。地元での活躍を夢見て、笛の音を街に響かせる。
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