支援物資を被災地に 文房具や手作り人形 区長が石巻へ
大貫一幸港南区長は4月23日、東日本大震災の被災者のために笹下連合町内会が住民から集めていた文房具・タオルと、笹下南保育園職員が手作りしたおもちゃを宮城県石巻市立鹿妻(かづま)保育所に届け、同時に視察も行った。
笹下連合町内会(清水鐵夫会長)は、桜道や南台小学校などで「港南桜まつり」を毎年開催しているが、今年は被災者支援を目的に「桜のつどい」と名称・内容を変更して4月2日に開催。その際に募金と一緒に文房具やタオルの寄付も募り、多数集まった物資は区役所に預けられていた。
一方、笹下南保育園(霜田惠子園長)の職員は、被災地の子どもたちに届けようと人形やおもちゃを手作りして準備を続けていた。
大貫区長ら区職員は区内で集められた義援金を区と交流を続けている宮城県大崎市の「三本木ひまわり交流協会」などに届ける予定で、併せて支援物資も運ぶことを決めたという。
大貫区長らは4月22日に大崎市内で義援金を届け、翌23日、津波被害が大きかった石巻市へ。市立鹿妻保育所でダンボール8箱分の文房具とタオル、1箱分の手作りおもちゃを手渡した。これらは近隣保育所などでも使用されるという。
同連合の清水会長は「住民みんなで集めた物資が被災地に届けられ、本当に良かった」と感想を述べたほか、同保育園の霜田園長は「自分たち保育の現場で何ができるか、と考えておもちゃを作ることにしました」と経緯を説明した。また、区によると、他の区内市立保育園も手作りおもちゃなどの活動に同調する方針で、被災地からの要請があれば協力をしていくという。
区長が見た被災地
人口約16万3000人の石巻市は死者2961人、行方不明2770人、避難者8907人の大きな被害を受けている(5月8日時点)。大貫区長らは同市内で自宅を開放し、自主避難所を運営する高須賀昌昭さんの案内で視察も行った。
沿岸から約3Kmの市街地は大人の背丈ほど濁水に浸かった跡が壁に残っており、歩道や空き地には濡れた畳、衣類、紙類が山積みの状況。高須賀さん自身も車の中で津波に飲み込まれたが、九死に一生を得て助かったという。また、高須賀さんによると配給されるおにぎりなどは硬くなっていて高齢者は食べられず、水を加えて携帯コンロで温めて提供しているなど、不便な状況が続いているという。
大貫区長は「これほどの震災だと役所の手が回らないことが予想される。地域で何とか生きていけるような体制作りを支援していきたい」と感想を語っていた。
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