認知症予防の講座を開講する「こうなん介護予防研究会」代表 中辻 萬治さん 上大岡東在住 81歳
高齢者の持つ大きな力
○…認知症の要因の1つに考えられる”閉じこもり”。「こうなん介護予防研究会」の代表として認知症予防の方法を学ぶ講座を開き、”傾聴”や”回想法”などのテクニックを通じて、そんな高齢者の目を外に向けさせる人材の育成に励む。
○…大学で経営学を学び、会社員として働く傍ら、得意の語学力をいかして経営学の本を10冊翻訳出版。定年退職後には大学で教鞭を執るなど半世紀にわたって経営学の道を歩んできた。しかし69歳の時、ロサンゼルスでの講演を頼まれ渡米した際、ふと老人施設の見学に立ち寄った。「なぜ行きたくなったのかわからないけれど、あれが転機だったのかも」。その後偶然目にした新聞記事で、人間が生まれてから死ぬまで、老化の中で生まれる変化を考える「老年学」を知って興味を抱き、72歳で大学院に入学。現在は「高齢者のもつ経験や力が社会にもっと還元されれば」と新たなフィールドで活躍している。
○…実年齢よりも若く見えるとよく言われるが、その秘訣は「毎日運動をするように心がけていることかな」。第2子が生まれたのは39歳のとき。「遅めに授かったので、この子が一人前になるまでは元気でいなくては」と健康を強く意識するようになり、毎朝5Kmのジョギングを40年近く続けていたが、2年前に脊柱管狭窄症を発症。足にしびれが起こり走ることは難しくなったが、それでもめげることなく今は自転車で自由に走り回る日々。「電動だから坂道でも楽なんですよ」と若々しく微笑む。
○…80歳を過ぎ、自身にとっても認知症は身近な存在になった。「認知症の人は家に閉じこもりがちになることが多い」と話すが、自分の弱みを周囲が受け入れてくれる環境があれば閉じこもる必要はなくなるはずと真摯に訴える。認知症のみならず弱い立場の人が「困ったとき助けてくださいと自由に言い出せる世の中になればいいですね」と希望を語った。
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