創立100周年を迎えた桜岡小学校の校長 坂田 映子さん 横浜市在住 58歳
歩み続けるたくましさ
○…桜岡小学校第26代校長として平成21年4月に着任し、創立100周年の節目を迎えた。その記念すべき年に発生した未曾有の大震災。かつて関東大震災で校舎が全壊した記録にふれる機会となり、歴史は繰り返すことを痛感。「子ども達が今後どんな逆境を迎えるか分からないけれど、それに負けず突き進む力をもつ子どもに育てたい」。願いを一層強くした。
○…教師を志したきっかけは中学生の頃に観た映画「サウンド・オブ・ミュージック」。家庭教師として子ども達に歌う喜びを教えたマリアの姿に憧れ、音楽教育の道を目指すようになった。教師になる夢を叶えると、さっそく児童を率いてNHK全国学校音楽コンクールに出場。校外でも横浜少年少女合唱団の指揮者を務めるなど、長年音楽教育に従事してきた。音楽を通じて子どもとふれあう様子はマリアそのもので、洋楽やポップスに慣れ親しむ現代っ子も、「叙情的な旋律の美しさが分かると、童謡や唱歌に戻ってくる」と語る表情が嬉しそうだ。
○…認知症の母にせがまれ、休みの日になるとピアノで奏でる「埴生の宿」と「オールド・ブラック・ジョー」。ともに海外の名曲で、戦時中だった女学校時代にこっそり口ずさんでいたものらしい。記憶が失われつつあるなか、「戦争の苦難をともに乗り越えてきた曲を、出ない声で一生懸命歌っている。多くのことを忘れてしまっているのに、昔を思い出して歌うのはすごい」。改めて音楽のもつ力を実感する日々だ。
○…統合校の初代校長を務めた前任校から一転して赴任した伝統校。周囲には昔ながらの家並みも残り、代々で卒業生という家庭も珍しくない。「児童が参加できる行事も多く、子ども達が地域に育てられている印象が強い学校」。1世紀におよぶ歴史の重みを感じつつ、「たくましく生き抜く力をもつ実力ある学校に育てたい」と、新たな歴史を刻み続けている。
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