神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
港南区・栄区版 公開:2013年1月1日 エリアトップへ

親子2代の箱根駅伝 それぞれのドラマを語る

スポーツ

公開:2013年1月1日

  • LINE
  • hatena
親子で箱根駅伝に出場した経験を持つ島田輝男さん(左)と善輝さん
親子で箱根駅伝に出場した経験を持つ島田輝男さん(左)と善輝さん

 港南区港南台在住の島田輝男さん(78)と長男で笹下在住の島田善輝さん(41)は、それぞれ専修大学、神奈川大学の選手として箱根駅伝に出場した経験を持つ。第89回箱根駅伝を明日に控え、2人に当時のことを振り返ってもらった。

 箱根路を走った事実は同じでも、2人にはそれぞれ別のドラマがある。

 輝男さんは専大の選手として1959年の第35回大会から62年の第38回大会まで、4年連続して箱根駅伝に出場。区間は3区、1区、1区、4区を走り、第36回大会では区間3位の成績を残した。また、輝男さんが箱根駅伝を走ったのは24歳から27歳の時。高校卒業後、働きながら会社の陸上部で走っていたところ、スカウトされ大学に入学した。活躍を期待されて入学したため、重圧も相当なものだった。昼間は仕事、夕方に練習、夜は授業という日々を過ごしたという。そんな中でも結果を残し続け「エース」だったという輝男さん。陸上と授業との両立も大変だったが、学校の成績も非常に良かった。「本当に必死だったよ」と笑顔で当時を振り返る。

 善輝さんは3年生の92年、第68回大会に出場。神大は18年振りの出場だった。駅伝がスタートし、往路は15チーム中の最下位。その日の夜、合宿所で最後まで走り抜くことを仲間と誓い、9区で襷を受けた。走りだすとすぐに大歓声に包まれた。それはまるで「夢の中を走っているような感じ」。亜細亜大学の選手との並走が続くが、振り切る力走を見せる。鶴見中継所が近づき、側道に入る。10区の選手が目に入ったそのとき、繰り上げスタートの号砲が鳴り、走りだした後輩の姿が目に入った。あと少しで途切れた母校の襷。「悔しさ、申し訳なさはあったけど、ベストは尽くした。でも、あと1歩ごとに、1センチずつ詰めていれば間に合ったのではという想いがある」と当時の心境を語る。

一生の支えに

 駅伝の魅力は「チーム対抗だけど、個人の争いでもある」ところだと2人とも語る。本番で競うのは、もちろん他校の選手。しかし、他校の選手と競う前には、チームメートとの競争がある。自身をそれほど強い選手ではなかったと謙虚に語る善輝さんは、時に「あいつが怪我をすればおれが」というような考えが頭をよぎることもあったという。箱根駅伝とは、それほど厳しい争いを勝ち抜かなければ立てない舞台。しかし、同じ時間を共有し、共に歩んだ仲間との絆は今でも強い。また、4年間を通じて1番走れていた年に出場した巡り合わせもあり、「チーム、チームメートに感謝している」と真摯に話す。

 走っている最中は「孤独だし、つらい」と善輝さん。ただ、陸上をやっていたこと、何かをやり抜いた経験が、生きていく上で大きな自信になっているという。何か困難に直面した時、起き上がる強い心が作れたと2人は口を揃える。

 走ることの大変さを理解しているから、善輝さんの10歳と6歳の息子には「やってくれたらいいけど、強制はしない」と2人は話す。しかし、「親子も珍しいけど、親子孫の3代は本当にいないらしいから」と輝男さんは期待を笑顔で話している。
 

京急百貨店

かみおおおかG.w.フェスティバル

https://www.keikyu-depart.com/

<PR>

港南区・栄区版のトップニュース最新6

平久井・齋藤ペア 日本代表に

杉浦紀子バトンスタジオ

平久井・齋藤ペア 日本代表に

選考会で実力発揮

4月25日

謝金、倍額に引き上げ

特別支援教育支援員

謝金、倍額に引き上げ

ニーズ発掘し、人員確保へ

4月25日

栄区、50年後に半減

横浜市人口推計

栄区、50年後に半減

港南区は4割減少

4月18日

公園すべて禁煙へ

横浜市

公園すべて禁煙へ

条例改正目指し、来春から

4月18日

67地点で上昇

港南・栄区公示地価

67地点で上昇

宅地最高値は大久保1丁目

4月11日

障害者診療「限界近い」

横浜市歯科保健医療センター

障害者診療「限界近い」

二次機関拡充求める声も

4月11日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月11日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

  • 3月28日0:00更新

港南区・栄区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月26日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook