横浜市立校 いじめ根絶へ「子ども会議」 512校で課題を共有
横浜市は今年度、児童・生徒がいじめ問題について議論を行う「横浜子ども会議」を初開催する。市立小中高校と特別支援学校の全512校から代表者を選出し、3回に渡って改善策を話し合う。最終的にまとまった課題や意見を全児童・生徒で共有し、いじめが起きにくい学校づくりに役立てる。
会議は「一人ひとりを大切にできる学校にするために」「お互いを理解し合える人間関係をつくるために」「すべての人が楽しいと心から言える学校をつくるために」「児童会・生徒会として学校を盛り上げるために」の4テーマ。小学生は各校6年生1人、中学生は各校学年を問わず1人、高校生は全市立高校から学年を問わず20人、特別支援学校は参加希望校の内、小学部・中学部・高等部から1人程度が代表者として参加する。
第1回は代表の小中学生が区ごとに集まる「各区横浜子ども会議」が6月中旬からスタート。港南区では6月19日に桜岡小学校で開催される。加えて、代表の高校生による「高校横浜子ども会議」も6月13日にみなと総合高校で行われる。
2回目は7月17日、18日に市内を東西南北の4地域に分けた「方面別横浜子ども会議」を開催。特別支援学校も含めた各校の代表児童・生徒が方面別に集まり、テーマに沿っていじめ問題を考えていく。3回目は8月22日に実施する「横浜こども会議」で、方面別会議で選ばれた100人の小中学生と高校生代表、特別支援学校代表が集結して最終議論を行う。会議後はアピール文を採択し、市内全校28万人で共有する予定だ。
市教育委員会によると自ら参加を希望する児童・生徒も見られるといい、活発な議論に期待がかかる。市は「教師や保護者、また地域ではなく、子どもがいじめについて主体的に考えることに意味がある。まとめられた課題などを各校の状況に落とし込み、どう生かしていくかが重要」と話す。
いじめ1・8倍
市の調査によると、市立小中学校でいじめ等の悩みを抱えている児童・生徒は11年度の2883人に対し、12年度は5244人と約1・8倍となった。市は「いじめ問題の専任教諭配置や12年度の無記名アンケートなどが隠れたいじめの掘り起こしにつながったのでは」と分析した上で、認知した数の8割が「冷やかされる」など、周囲が気付きにくい内容だったという。
市は「いじめ問題は市全体の重要課題で、今回の会議もその位置づけ。子どもが自ら考える快適な環境づくりの意見を今後に生かし、根絶に向け対策に力を入れていく」と話している。
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