送迎ボランティアグループ「おんぶーる」の代表として20周年を迎えた 鈴木 政次さん 日限山在住 82歳
「おんぶ」する気持ちで20年
○…設立以来20年、デイサービスや病院などへ依頼者の送迎を行うボランティアグループ「おんぶーる」の代表を務める。7月には活動の記録を残すとともに、未来への想いも込めて20周年の記念誌を発行。「おんぶをするように、依頼者と心を通わせられるように」と命名した「おんぶーる」。20年に及ぶボランティア活動を「ごはんを食べるのと同じように、生活の一部だよ」と自然体で話す。
○…定年退職をきっかけに、軽い気持ちで始めたボランティア。港南区社会福祉協議会で当時の担当者に勧められ、送迎ボランティアを始めたという。最初に担当したのは、歩くのがやっとだったアルツハイマーの依頼者。デイサービスへ通うのに、車がなく家族だけでは難しい依頼者の手助けがスタートだった。また、当時は送迎のみならず風呂や換気扇の掃除、電球の交換などを頼まれることも。マンションや団地では自分よりも大きな人を実際におんぶすることもあり「よくできたなあ」と懐かしそうに当時を振り返る。
○…80歳を過ぎた現在もなお、一級建築士として設計事務所の代表を務める。今もコンペに向けた設計をしている真っ最中。「やらざるをえないから」と苦笑いするが「仕事も送迎もあるから病気にもなれないね」と充実した表情を見せる。また長年、忙しい日々の合間には趣味の水彩画にも取り組んできた。10月には関内で作品展を開催する予定で「3人の孫と一緒に家族でやりたい」と意気込む。
○…「やめると困る人がいるから、もう少しだけ」。そう思いながらこれまで400人以上と関わり、現在も約10人を担当する。週に2、3回利用する依頼者もいるという。94歳までボランティア活動を続けたという母を引き合いに出し「事務方に回ることも考えるけど、依頼者と触れ合える送迎の方が楽しいから引退は考えてない」と断言する。まだしばらく、忙しい日々は続きそうだ。
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