20周年を迎えた「ともいくクラブ」の代表として、12月6日に記念シンポジウムを行う 厚坂(あつさか) 幸子さん 丸山台在住 56歳
普通の生活の中で
○…障害がある人もない人も「共に生き、育ち、友達になろう」。そんな思いを原点に1992年から活動するともいくクラブ。障害を社会問題の1つとして提起しながら、母親達から相談を受け続けてきた。12月6日には20周年を記念し、障害児者を取り巻く現場についてシンポジウムを行う。
○…「障害」という言葉が怖かった。長女の純子さんが1歳半検診で知的障害と診断を受け、頭は真っ白になり、泣きながら帰った。障害は治らないという事も理解できず、治したいという一心から食事の際にスプーンの持ち方、口への運び方など教え、できなければ叱り続けた。ある時から純子さんは口の中の食べ物を飲み込まなくなった。「食べない」という命がけの自己主張。「このままの私でいいと言って」。そう言われている気がした。障害と命のどちらかが大切か。まさに啓かれた思いだった。
○…「障害を受け入れて、堂々と生きていこう」。通っていた療育センターから普通の子どもと同じ保育園へ移り、年長児の1年間を普通の友達と過ごした。純子さんの笑顔と成長を喜びながらも感じたのは、社会の中の壁。街中で遊ばせると「気持ち悪い」という声。保育園の入園も、各園断られ続けた上でやっと見つけた場所だった。「本人の持っている障害よりも、社会にある差別や偏見、制度が、障害者を、障害者にしているのではないか」。障害は特別な人が考える特別な問題ではない。一般社会の問題として考えたかった。そんな思いがともいくクラブへの設立へとつながった。
○…純子さんは現在28歳。将来は分からないが、「社会全体が障害者の事も含め、他者の事を気にしたり、配慮したりできる社会になれば」と思う。社会の無関心を感じることも多い。「自分と違うからと、拒絶をするのではなく、まずは関心を持ってほしい。望みはノーマライゼーション。普通の生活の中で、特別な配慮を」。強く訴える。
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