市民が主体となり地域の生活環境整備を提案し、その中から市が選考により助成する「ヨコハマ市民まち普請事業」に、今年は市内7グループが応募。港南区からは美晴台自治会助け合いグループがエントリーしている。同グループは、地域内の各道路に愛称をつけることなどを提案しており、6月21日に西地区センター(西区)で行われる1次コンテストに臨む。
同事業は2005年から横浜市が取り組んでいるもので、身近なまちの整備に関する提案を市民から募集し、2段階にわたる公開コンテストを行った上で整備助成金の交付を決定するというものだ。
市都市整備局の担当者は「地域の整備に関する問題点は住民が1番よくわかっている。地域の身近な課題解決のために主体となってもらうことで、よりスムーズに解決が図れるはず」と制度のねらいを話す。
応募者はまず1次コンテストで提案を発表。審査基準は、【1】創意工夫、【2】意欲、【3】公共性で、必ずしも具体的な実現可能性までは求められていない。提案が認められれば、来年2月に予定されている2次コンテストに進み、2次では維持運営をどうするかといった実現性や、費用対効果などについても審査がされる。1次通過者は、市からの支援を受けながら、2次までの間に詳細な設計図や地域での合意形成など、実現に向けた準備を行う。
2次でも選考された場合、提案者には申請に応じて500万円を限度に整備助成金を交付。昨年度は6グループ中3グループが最終的に助成対象に決まり、計1090万円の助成を予定している。
「道路に案内板を」
今年度、港南区から唯一の応募となったのは、美晴台自治会助け合いグループ。自治会内で、住民のために庭木の剪定やふすまの張り替えなど、住まいに関するサポートに取り組んでおり、グループ内で今年4月に立ち上げられたプロジェクトチームのメンバー5人を中心に準備を進める。
チームリーダーの高森惇(あつし)さん(72)は「もともと自治会の防災倉庫を作るという話があったところに、まち普請事業の話が挙がり、そこからいろいろな意見が出てきた」と経緯を話す。
同チームが今回提案するのは大きく3つ。1つは、碁盤の目のように似たような景色の並ぶ街を分かりやすくするため、主要な道路に愛称をつけるというもの。「住民同士で話をするときや、防犯パトロールのコースを決める際に分かりにくいとの声は昔からあった」と高森さん。「愛称ができれば、住民間、特に多世代間のコミュニケーションが円滑、活発化に役立つのでは」と高森さんは期待する。
その愛称の標識を、既存の街の掲示板にソーラーパネル付の照明とともに取り付けるというのが第2の提案。防犯上の効果とともに、「共働き世帯も増えているが、現状では夜に掲示板を見ることはできない」という課題解決を図る。
さらに3つ目として、防災倉庫を兼ねる複合コミュニティセンターの設置を挙げる。多世代交流の場としても活用する予定で、公園の一角への設置を提案内容として検討中だ。
費用は概算で約530万円だが、高森さんは「まだまだアイデアの段階。実現すべきか、ということも含めて、住民同士で意見を交わしたい」と話し、「それ自体も活性化につながるのでは」と期待を込める。
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