本紙は2015年の港南区政について、齊藤貴子区長にインタビューを行った。齊藤区長は、港南区の印象や重点事業である災害対策、ウォーキング事業などについて思いを語った。(聞き手/本紙・佐藤信彦)
――着任後9カ月が経ちましたが、港南区の印象は。
「明るく元気があり、本当にパワーある皆さんが多く、そして人情味あふれる港南区だと感じています。時間のある限り、地域の防災訓練や炊き出し訓練、防犯パトロール、お祭りなどに伺いました。どの地域も楽しく、そして様々な工夫をしながら『顔の見える関係づくり』をされています。『地域をもっと良くしたい』『子どもたちにふるさとを感じてもらいたい』と活動されている地域の皆さんの熱い思い、すごいパワーを実感しています」
――昨年の振り返りを。
「昨年は全国的に地震や噴火、大雨、地滑りなど自然災害による被害が多かった年と言えます。港南区でも10月の台風18号、19号の際には、避難勧告を発令しました。甚大な被害につながらなかったのも、消防団や自治会町内会など多くの地域の方の協力があったからこその結果だと思っています。まさに防災・減災や防犯、見守り活動をはじめ、『地域のつながりづくり』が大切だと改めて感じた年でした。
また、『この地域をもっと良くしていきたい』との思いの中で、15の地区ごとに『防災・減災』『見守り・支えあい』などのテーマを設定し、活発に地域づくりの意見交換が行われています。区の職員も一緒に参加させていただき、知恵を出し合い、具体的な取組につなげているところです。
ウォーキングに注力
さらに『いつまでも元気に暮らしていけるように』との思いの中で健康寿命を延ばす取組を進めています。特に誰でも気軽にできるウォーキングは1人ひとりの健康を増進するだけでなく、歩く場所や時間によって地域の防犯や子どもたちの見守りなど、『地域のつながりづくり』にも効果があり、港南区では重点事業に位置付けて推進しています。
食生活等改善推進員会の協力によって作られた健康ウォーキングマップ『ひまわり港南ウォークⅤ(ファイブ)』も区役所などで配布していますし、今年の3月8日は『港南区民ウォーキングデー』としています。ぜひ皆さんもウォーキングをして健康づくりへの1歩を踏み出していただければと思います。
一方、横浜市としても昨年11月から『よこはまウォーキングポイント事業』を始めるなど、ウォーキングには力を入れています。この事業は40歳以上の市民に歩数計をプレゼントして歩いてもらうもので、歩数に応じてポイントが貯まり、商品券が当たります。申込も多く、港南区の参加者は昨年末時点で18区中1位の4510人と盛り上がりを見せています。まだ申し込みをされていない人は区役所で配布している申込書をご覧の上、お申し込みください。ウォーキングをはじめとした健康づくりに関心を持っていただき、いつまでも元気に港南区で暮らしてほしいと思います。
そのほか、防犯活動や、子ども・青少年を地域で育成する取組、地域の美化活動など、様々な活動を積極的に取り組んでいただき、心から感謝申し上げます」
防災と協働のまちづくり
齊藤区長インタビュー
――今年で東日本大震災から4年になります。区内の防災に対する取組は。
「全国各地で自然災害が発生したことで、防災への関心が高くなっています。
各小中学校の地域防災拠点では、地域・行政・防災関係者が連携して、工夫を凝らした訓練が毎年行われています。9月から12月までの約3カ月間に、いっとき避難場所の確認のほか、ペット同行避難訓練、デジタル簡易トランシーバーによる情報受伝達訓練、小中学校と連携した防災訓練など、拠点ごとに特色のある訓練が実施されました。
また、震災をきっかけに、家族等の安否を確認できるようにと、新たに全地域防災拠点へ特設公衆電話を設置しました。さらに下水直結のトイレを今年度中に4拠点で整備するなど、設備面でも充実を図っています。
そのような中、昨年は『防災対策連絡協議会』を本格的に稼働することができました。協議会は行政、防災関係機関、住民組織等の代表者などメンバーを拡充して、防災に関する意見交換を行いました。防災・減災への様々な取組が披露され、『うちでも参考にしたい』 『どんな工夫ができるのかもっと教えてもらいたい』など防災に対する意識・関心が高まる機会になったと思っています。
もう1つ、稼働を始めたのが『防災ライセンスリーダー連絡会』です。横浜市は地域防災拠点に備えている防災資機材の取扱方法を学ぶ防災ライセンスという制度があり、すでに区内には約200人のライセンスリーダーがいます。連絡会は、このリーダーが持つスキルや知識を防災訓練などで広めることや、リーダーとしても技術の維持向上を図ることなどが目的です。地域防災力の向上と充実につながればと考えています。
ぜひ多くの方に関心を持っていただき、積極的に地域での防災訓練に参加してもらえればと思います。『災害に強いまち港南区』の実現に向け、一緒に取り組んでいきたいと考えています。
なお、震災に限らず、台風をはじめとする風水害、がけ崩れなどの様々な自然災害にも対応できるよう、地域の皆さんと連携・協力して、防災・減災活動にさらに取り組んでいきたいと思います」
協働の推進
――昨年7月、協働による地域づくり推進協議会が発足しました。その目的は。
「協議会は連合町内会長連絡協議会や区社会福祉協議会、民生委員児童委員協議会など地域で活動している11団体の代表と行政が一堂に集い、互いに連携・協力を密にすることで協働による地域づくりをより一層進めていくことを目的に設置しました。港南区の宝である『協働』をさらに1歩前進させる取組で、昨年中に3回開催し、さっそく健康づくりのため、ウォーキングについて連携して取り組むことになりました」
――新区庁舎の基礎工事に不備があり、16年3月の竣工予定は大幅に遅れます。
「区民の皆さんには、大変ご心配をおかけしています。現在、遅れが最小限となるよう、所管局が事業スケジュールを精査しているところです。スケジュール等が決まりましたら、速やかにお知らせしていきます」
――15年度の区編成予算の基本的な考え方は。
「今年度に引き続き、『つながり はぐくむ ふるさと港南』を目標に様々な事業や取組を進めます。
来年度も、防災・減災活動に力を入れていきます。また、少子化・超高齢化・人口減少が進む中で、切れ目のない子育て支援や、健康寿命を延ばすための取組にも力を入れていきたいと思います。あわせて、市民生活に最も身近な行政機関として、正確で丁寧な行政サービスの提供を進めます。
部・課を越えた連携によって区役所全体のチーム力を活かしながら、今後も引き続き地域や関係機関の皆さんと協働して、区を取り巻く様々な課題に対して議論を重ね、来年度の事業に取り組んでいきます」
地域福祉保健計画
――15年度は「第3期港南区地域福祉保健計画」の策定も行われます。
「16年度から20年度まで地域をより良くしていくための計画ですが、区全域の『区計画』と15連合・地区社協ごとの『地区別計画』の2本立てです。今年から、地区別計画づくりが本格的に始まります。計画と聞くと硬いイメージですが、ぜひ、この機会に『こんな地域にしていきたい』と皆さんで話し合っていただきたいと思います。ご協力よろしくお願いします」
――遅れている日限山地域ケアプラザの状況は。
「昨年の入札が不調に終わったため、地域の皆さんには、大変ご心配をおかけしていますが、現在所管局が早期着工に向け調整しているところです」
――区民にメッセージを。
「本年も港南区の宝である『協働による地域づくり』を大切にしながら、安全で誰もが安心して暮らせるまち『ふるさと港南』を目指して引き続き取り組んでいきます。『明るく元気ひまわり港南』を大切に『港南区に住んで良かった』と思っていただけるように、職員一同、区民の皆さんと一緒に地域づくりを進めていきたいと考えておりますので、一層のご理解、ご協力をお願いします」
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