横浜市は移転新築工事中の港南区総合庁舎の工事完了時期について、当初予定の2016年2月末から1年遅れとなる17年2月末となると発表した。杭工事のコンクリート充填不足が発覚したことを受けたもので、区役所、消防署、公会堂などの利用にも大きな影響を及ぼすこととなる。
杭工事をやり直し
現在の港南区総合庁舎は、港南区役所、港南消防署、港南公会堂の機能をもち、築40年を超えているため耐震性強化などを目的に、14年3月から新庁舎の建築工事が本格的にスタートしていた。
だが同11月、地下部分の基礎工事を含む「第1工区」の建築工事中に、基礎となる杭工事のコンクリート充填不足があったと市は発表。市建築局の担当者は「杭の形状・工法などについての技術面での検討や、工事管理体制の確保という点で請負人は十分ではなかった」と説明する。
結果として18本すべての杭を1度解体・撤去し、新たに施工する必要が生じたため、完了時期が遅れることは確実に。このほど工事全体が当初予定より1年遅れることが明らかになった。
費用は請負業者負担
杭工事を含む第1工区は、(株)渡辺組(中区)と見上工業(株)(神奈川区)の建設共同企業体(JV)が約8億円で請け負っており、杭の撤去費を含めた再施工の費用は同JVが負担。
また工期が遅れたことにより2社及び同JVは「契約違反等」として、横浜市の工事入札において半年間の指名停止措置がとられているほか、市の担当者は「約款上は工事遅延の損害金についての規定もあるが、請求については額も含めて今後検討する」と話す。渡辺組の渡邉一郎代表取締役は「完成が遅れて申し訳ない。市と協議しながら、しっかり進めたい」と話した。
公会堂利用にも影響
新庁舎には現庁舎と同様、区役所及び消防署の機能が引き継がれる。一方で、現庁舎5階にある公会堂は新庁舎には移転せず、現庁舎を建て替えた後、新たに設置する予定だ。また現庁舎跡地には、公会堂のほか上永谷にある土木事務所、上大岡にある区民活動支援センターを移転する予定となっている。
このため今回の遅れは各移転に影響を及ぼすほか、公会堂は当初16年4月から19年度中まで休館となる予定だったが、1年遅れとなる17年4月から20年度中と変更された。市の担当者は「基本設計など、可能なものは当初予定通り進めていく」と話している。
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