野庭中学校で3月5日、日本ブラインドサッカー協会(JBFA)から選手を招き、1年生72人を対象にブラインドサッカーの体験授業を行った。スポーツによる障害者理解や他者とのコミュニケーション形成を目的としたこの授業は、同校で初めての取り組み。
これはJBFAが2010年から取り組んでいる「スポ育」の一環で、小・中学生を対象としたダイバーシティ(多様性)教育プログラム。選手が講師となり、視覚障害者と健常者が同じフィールドでプレーするスポーツ「ブラインドサッカー」を子どもたちが体験することで、今の学校現場が抱えるさまざまな課題に向き合う試みだ。同協会によると、2014年度は関東近辺の小中学校で400回以上行われているという。
同校では、総合的な学習の時間でスポ育を導入。行った経緯について担当教諭は「障害者への理解にとどまらず、生徒たちにコミュニケーション、言葉で伝えることの大切さを伝えたかった」と話す。
3月5日に同校を訪れたのは、同協会に所属し神奈川区のブラインドサッカーチーム「ブエンカンビオヨコハマ」で活動する女子選手の内田佳さん(23)。授業では生徒たちはアイマスクを着用し、鈴の音が鳴るブラインドサッカーボールでプレーを開始した。
パスを体験するボールワーク=写真=では、内田さんが「相手にとって、どういう声がけが分かりやすいのかを考えて」と生徒たちに指示。パスを出す生徒は視覚が遮断された状況の中、受ける生徒の指示を聞きながら蹴る方向を確認。受ける生徒は目標となる三角コーンをたたくなどして具体的な指示を出し、互いに大きな声をかけ合い楽しんでいた。
恐怖から「楽しい」へ
授業を終え、生徒からは「目が見えない世界が初めはすごく怖かったけれど、声をかけ合うのが楽しかった」「友だちが具体的に声をかけてくれて安心した」「相手がいないとできない」などの感想が聞かれた。
指導した内田さんは「生徒たちは自然と友だち同士を助け合っていた。授業がきっかけとなり、障害者や困っている人への声がけや、友だちや家族など周りの人の気持ちを考えられるようになれば」と話していた。
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