港南保護司会の会長として活躍する 朝生(あさお)靖子さん 野庭町在住 72歳
「人は変われる」思い強く
○…「面接に始まり、面接に終わる」。罪を犯した人が社会復帰できるように幅広く活動する保護司の仕事において、月に2回ほど会って近況を尋ね、生活上の助言などを行う面接は1番大切な場だ。「おばさんと話をする雰囲気」で保護観察対象者1人ひとりと向き合ってきた。4月から区内に38人いる保護司をまとめる立場となったが、保護司の認知度向上や不足するなり手の確保に取り組みたいと意欲を見せる。
○…小田原出身で結婚を機に野庭へ。まだ地域のことが何も分からなかった頃に義母を亡くしたが、地域の人が手伝いをしてくれたことが忘れられない。「地域に育てられた」と感謝の気持ちから数多くの地域活動を行い、1991年から保護司に。夜中でも急に出かけなければならない事がある仕事だが、家族の協力、理解があって続けることができたと振り返る。中には立ち直らせようと長い時間をかけて力を尽くしても再犯となり、さびしい思いをしてきたこともあった。一方で無事に社会復帰し、結婚して毎年手紙を送ってくれる人もいる。そんなやりがいに支えられている。
○…「下野庭を故郷にするのだから、この地域のことが知りたくて」と近所の母親仲間と郷土史「お母さんが伝える ふるさと下野庭」を88年に出版。各家庭から史料を提供してもらい、数多くの文献にあたり、5年の歳月をかけた1冊だ。今では貴重な資料もあり、途切れてしまいかねなかった地域の歴史をつないだ自負もある。「今はこの歴史を次世代に伝えていくのが役目」と話し、「私、下野庭大好きなんです」と笑う。
○…「人は変われる」ときっぱり。変わるためには本人の努力ともう1つ、人との出会いが大事だと話す。家族でも友人でも向き合ってくれる人がいることは大きい。保護司もその1人だ。「この人のいいところはどこだろうっていつも考えています」。溢れる愛情で更生保護に力を尽くす。
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