「2015 神奈川県洋菓子協会作品展」で同協会会長賞を受賞したパティシエ 飯田知志(さとし)さん 鶴見区在住 23歳
「喜んでくれる顔」原点に
○…作品展に初出品したのは、洋菓子製造のプチ・フルールに就職した2011年。初挑戦ながら「マジパン」で銀賞を受賞する快挙だったが、以来、入賞を逃す年が続いた。昨年、焼菓子から生菓子に担当が変わったことが転機に。今年は「味を追求したい」と味を審査される「プティ・ガトー」部門への出品を決意。レシピは細部までこだわり抜き、試作を重ねた。「味がどんどん美味しくなるのが楽しかった。納得できる味に仕上げた渾身の作」と自信を持って臨み、受賞の結果は「嬉しい」に尽きる。
○…青森県出身。調理師だった母親は、幼いころからよく菓子を作ってくれた。その姿を見て育ち、小学生の頃にはチーズケーキやクッキーを作るように。できた洋菓子を友人や親せきに配ると、喜んでくれることが本当に嬉しかった。その頃から「将来は洋菓子職人に」と思い始めていた。
○…中学生のとき、「フランスへ行き、本場の洋菓子づくりを見たい」と思い、修学旅行先がフランスの高校を選んで受験。入学を果たし、実際に見て味わったフランスの洋菓子は感動そのものだった。「バターから違い、ケーキが本当に美味しい。デザインも素晴らしかった」。一方で「この美味しさを知っている人は、日本にどれくらいいるのか」とふと、疑問に思った。
○…高校卒業後、市内の製菓学校へ進学し、アルバイトで勤務したプチ・フルールへそのまま入社。中学生のときに「27歳までにフランスで修業する」と決めていた目標に向かい、最近では仕事後にフランス語学校へ通学も。休日は都内などに足を運びさまざまな洋菓子店を巡るほか、食事中に食材の組み合わせを探ったりと、頭の中は洋菓子づくりでいっぱい。「フランスで感じた味を日本でも味わってほしい。お客様に喜んでもらえる環境を作るのが第一の目標」。洋菓子作りを始めたころに知った「喜んでくれる」嬉しさを原点に、信じた道を突き進む。
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