三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットで7月23日から始まる2015FIM世界耐久選手権の第2戦「鈴鹿8時間耐久ロードレース」(通称・鈴鹿8耐(はちたい))に、港南台在住の木村泰善(やすよし)さん(52)が「TEAM(チーム)JP」のライダーとして参戦する。木村さんは13年、14年に続き、3年連続の参戦となる。
鈴鹿8耐は(一財)日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)などが主催しているもの。国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が1年間を通じて各国で行う世界耐久選手権の第2戦として位置づけられており、選手権では各レースでの順位をポイントにし、年間で総合優勝が決まる。
鈴鹿8耐では、1チーム2、3人のライダーが交代しながら、8時間継続して1台のマシンを走行させ、順位は走行距離の長さによって決まる。今年は過去10年で最多という84組が暫定エントリー(6月2日時点)しており、7月24日の公式予選の後、26日に70組で決勝が行われる。
豪州・中国でも活躍
木村さん=写真左=は、オーストラリアや中国などを中心に活動するバイクレーシングチーム「TEAM JP」を11年に設立。ライダーとしてレース出場に必要なライセンスを取得する一方、チームオーナーとして若手育成にも注力している。今回は「TEAM JP&TAKE-UP CANADA」としてエントリーし、マシンはスズキのGSX-R1000。大会ではバイクメーカー各社によるチームなどが上位を占める中、木村さんは「上位は難しいが、180周を1つの目標にしたい」と意気込む。
鈴鹿8耐には3年連続の参戦で、13年は17位、14年はマシントラブルに見舞われながらも47位に。「耐久レースでは相手を抜くことよりも、どれだけリスクやトラブルを避け続けられるか」と気を引き締める。
今回、木村さんのチームは3人のライダーでレースに臨み、給油の関係で約1時間ごとの交代を予定。その間はほぼ常にフルスロットルで、最高時速は280Kmにもなる。「どれだけスピードを落とさず走り続けられるかが、コンマ何秒の世界を争う勝負では大きな差になる」と木村さん。またレース決勝は、午前11時30分から午後7時30分の8時間という真夏の炎天下で行われ、「走行中は風があるが、それでもライダースーツは暑く、2〜3kgは体重が落ちる」と明かす。
度重なる大けがも
長時間に及ぶ過酷な耐久レースについて木村さんは、「走り続けるうちに疲労で集中力は落ち、今が何週目なのかも分からなくなる」と話す。またこれまで練習中の転倒により、大腿骨の粉砕骨折や、頚椎の骨折といった大けがも経験した。
だが「それで乗るのが怖くなるということは一度もない。公道で無茶なスピードの運転をすることに比べれば、レースはずっと安全」と強調する。「実際にサーキットに足を運び、多くの人に生のレースの迫力を体感してみてもらえたら」と笑顔で思いを語った。
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