震災時に診療可能な病院や診療所、歯科医院と開局中の薬局を示す「のぼり旗」の掲出訓練が、9月1日から4日まで港南区内で初めて行われた。訓練を主導した港南区役所福祉保健課は「医療機関、薬局にのぼり旗の掲出方法を確認してもらうと共に、診療可能な目印として区民に周知を呼びかけたい」と話している。
のぼり旗は災害時医療を整備する目的で作成されたもの。被災後に対応が可能になり次第、災害拠点病院は赤色、災害時救急病院と診療所、歯科医院は黄色で「診療中」の旗が掲げられる。また、薬局は黄色で「開局中」の旗となる。
ただし「診療中」と掲げられていても、傷病患者が多数発生する中で救命効果を上げるため、症状の度合いによって診療先が決められているので注意が必要だ(下記表)。災害拠点病院の済生会横浜市南部病院は生命の危険がある重症患者のみ、災害時救急病院の長田病院などは生命の危険はないが、入院を要する中等症の患者のみの対応だ。軽症患者は原則として診療所が対応する。
対応に懸念も
災害拠点病院や災害時救急病院は震災対応準備を続けているが、診療所はライフラインや建物・設備の被害状況、診療時間内か時間外かによって診療の可否が分かれることが想定される。また、医師や看護師ら職員も同じく被災者であるため、人員が揃うかも不透明だ。
診療が可能かどうかは地域防災拠点や区役所内で情報提供する予定だが、情報の集約に時間がかかる可能性もあり、同課は「かかりつけの診療所以外にも近隣の診療所を確認しておくことが重要」と話すほか、自助の部分で医薬品等の備蓄を区民に呼びかける。
港南区医師会の池袋信義会長は「診療所が対応できるかは災害の程度によるが、繰り返し訓練を実施していく必要性は感じている」と訓練を振り返っていた。
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