老人福祉センター「横浜市蓬莱荘(ほうらいそう)」の所長を務める 角田(つのだ) 博史さん 戸塚区在住 65歳
笑顔生む「おもてなし」を
○…「ここに来るまではどんな施設なのか知らなかった」と正直に明かす。所長として3年目を迎える老人福祉センター「横浜市蓬莱荘」は、60歳以上を利用対象とする娯楽・健康づくりを目的とした施設で、館内には囲碁や将棋を楽しむ人たちのほか、大浴場で汗を流す人など1日に400人近くが足を運ぶ。利用料は原則無料で、「こんな所があるなら、もっと早く知りたかったという来館者の声も多い」と胸を張る。
○…その名称から、老人ホームやデイサービスなどの介護施設と誤解されることは少なくない。そのため認知度向上を課題に挙げるが、リピーターの重要性も強調する。「『今日も楽しかったよ』と笑顔で帰ってもらうことが喜び。また来てもらうためにも、サービスの充実が欠かせない」。来館者の目を季節ごとに楽しませようと、中庭では様々な花を育てており、「仲間づくりも含めて、あそこに行けば何か楽しいことがある、という場所にできたら」。手作りのおもてなしに、1つひとつまごころを込める。
○…東京都目黒区に生まれ、小学5年生で港北区日吉に。横浜市の職員として様々な部署を経験したが、水道局での勤務が1つの転機に。同局は税金ではなく水道料金によってまかなわれる独立採算のため、「役所だけど『お客様』という意識が強く、言葉遣いも含めて『サービス』について学ぶことが多かった」。福祉の部署経験はなかったものの、そのサービス精神は今の仕事に生きている。
○…休日には妻と2人でテニスやゴルフで汗を流すほか、自宅と同じ敷地内に長男一家も暮らしており、3歳の孫娘とのふれあいが大きな楽しみ。「独り暮らしの人の話を聞くと、毎日会えるというのは贅沢なことだと思う」。施設でも幼稚園の園児を招いて、イベントを行うことも。「子どもたちは天使のよう。見ているだけで幸せな気持ちになる」。優しい時間に自然と笑みがこぼれる。
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