下永谷小 生の演奏で芸術体感 チェリストの堤さん来校
下永谷小学校(落合玲子校長)で12月1日、文化庁による事業「子供 夢・アート・アカデミー」が実施され、世界各地で演奏を行うチェリストの堤剛(つよし)さんらが来校。4〜6年生450人と保護者を前にクラシック曲の演奏を行った。
同事業は美術や文芸、音楽などの各分野で顕著な功績を持つ芸術家で構成される日本芸術院の会員たちが行う社会貢献事業で、2005年にスタート。会員が小・中学校、高校を訪問して実技披露と講話を行うことで、子どもたちに文化芸術活動の素晴らしさや、夢を持って生きることの大切さなどを伝えることを目的としている。同小は同事業の実施を文化庁に申請していたところ、今回、堤さんの来校が実現したという。
堤さんは幼少時代からチェロを学び、8歳で第1回リサイタルを開催。1957年には日本音楽コンクールで第1位と特賞を獲得し、その後も国際的な音楽コンクールで各賞を受賞し、世界各地のオーケストラとも共演してきた。2007年からサントリーホールの館長を務め、13年には文化功労者に選出されている。
当日、同小を訪れたのは堤さんをはじめ、小川響子さん(バイオリン)、福井萌さん(ビオラ)、稲生亜沙紀さん(ピアノ)の4人。
演奏はカルテットでモーツァルト作曲の『ピアノ四重奏曲』で幕開けした。続いて、堤さんがバッハの『無伴奏チェロ組曲』を独奏し、高音と低音からなるチェロの美しい音色が体育館中に響いた。児童たちは真剣な表情で聴き、演奏が終わると大きな拍手を送っていた。
その後はバイオリンとビオラの二重奏もあり、全8曲が約1時間にわたり演奏された。曲の合間には作曲家や曲の作られた背景、楽器の違いなども紹介された=写真右。
終了後、児童からは「体育館の床から音が響いてきた」「知らないうちに曲の世界に入り込んでいた。あっという間に時間が過ぎた」「生演奏を聴けて、全身の毛が逆立つほど迫力があった」などの感想が聞かれた。
堤さんは「どの音楽でも親しんでもらえるのは生の演奏。実際に聴くことで、4人の呼吸が合って音が作られることや、人間のコミュニケーションの場であることを知ってもらえたら。若いころに美しい芸術に触れることは将来につながる。小学生の反応は鋭く、とてもやりがいのある活動」と笑顔で話していた。
|
|
<PR>
|
|
|
|
|
|