住民のアイデアで通りや坂道に愛称をつけて地元に愛着を――。区内上永谷の美晴台地区の住民グループがこんな活動に取り組んだ。愛称をつけたのは31カ所。今月15日にマップやサインボードなどの完成を祝うイベントが開かれた。愛称づくりを通じて新たな交流も広がっているという。
美晴台地区は上永谷2丁目から4丁目の丘陵地に位置する。市内でも古い宅地造成地で、昭和30年代中盤に開発が一斉に進んだ。現在は約700世帯、2000人が暮らしている。
道路が碁盤目状に整備され、戸建て住宅が建ち並んでいるのが特徴。目印が少なく、位置の特定が難しいため、道に迷いやすかったという。
そこで地域をわかりやすくしようと、発足されたのが「美晴台の道に愛称をつける会」。美晴台自治会の助け合いグループのメンバーらが中心となって立ち上げた。中学生から70代までの9人で構成する。
「市の助成事業があることを知って取り組もうと思った。これまで、住民同士でもあっちだとかこっちだと言って位置を説明するのが難しかった」と話す同会の川上豊二代表。
同会は横浜市都市整備局の助成事業「ヨコハマ市民まち普請事業」に申請して2014年6月ごろから活動を開始。ワークショップやアンケートを重ね、愛称を検討してきた。
住民から提案があった愛称案は300以上。選定を進め、通りや坂道、交差点など31カ所に愛称をつけた。例えば、最も高い位置の通りは「てっぺん通り」、自治会館がある通りは「かいかん通り」と命名。中には交通誘導員の男性がいる場所に「じっちゃん信号」と住民ならではの親しみを込めた愛称があるほか、旧字(あざ)名や古い地名を生かしたケースもある。
49カ所の電柱に愛称とイラストを描いたサインを設置し、16カ所にマップを設置した。メッセージやあいさつなどを書き込んだサインボードは130枚設置。掲示板の照明も新調し、防犯対策にも取り組んだ。設置にかかる材料費は助成金を活用し、設置作業は住民の手作業で行ったという。
川上代表は「いいと思うのは、住民の輪が広がっていること。みんなが仲良くなり、まとまっている感じがする。直接的には関係ない人も参加し、手伝ってくれたケースも多かった」と新たな交流づくりに手ごたえを感じている。
メンバーの高森惇さんは「活動を通じ、あいさつする人が増えた。子どもとの関係も近くなり、様々な世代が交流している」と話している。
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