港南区剣道連盟の会長に就任し、地域で剣道の普及に取り組んでいる 大堀 浩さん 戸塚区在住 60歳
「交剣知愛」の精神を後世へ
○…港南区内の剣道に携わる団体14団体約450人のまとめ役に今年4月に就任した。長年、副会長として前会長を支え、周囲の信頼も厚く、「優しくてまじめな人柄」と評される。まずテーマに掲げたのは「交剣知愛(こうけんちあい)」。会長就任の記念で作成した手ぬぐいにも記した。剣道を通じてお互いに理解し合い、人間的な向上を図ることを教えとした言葉だ。「剣道には様々な言葉があるが、私はこの言葉が好き」
○…親から受け継ぎ、仕事は内装業。24年前、下永谷にあった親の会社の建て替えを機に道場「清風館」を開いた。現在、錬士7段の腕前。輩出した道場生は子どもから大人まで150人超。「剣道の魅力は1対1の勝負。気持ちがそのまま結果につながる」。得意技は相手の小手を引き出し、鋭い攻めで面を狙う「相小手面」。学生時代に何度も何度も練習で打ち込み、ようやくものにした技だ。「指導した子どもたちが技をできるようになると自分のことのように嬉しい」
○…剣道との出会いは小学校1年生の時。体が小さく弱く、病気がちだったため、母親のすすめで始めた。4年生の時に道場の高点試合(勝ち抜き戦)で優勝したことが今でも忘れられない。「嬉しかったなぁ。1つ上の強い人が休んでいて優勝できたんだけどね」と頬を緩める。中学、高校は日本大学の付属校の剣道部で打ち込み、各大会で優勝も。大学も日本大学へ進み、4年間、剣道漬けの日を過ごした。
○…同連盟で新たに取り組もうとしているのが、4段・5段の受審者向けの講習会。「審査を初めて受ける人、なかなか受からない人を支援したい」。そして、子どもが少なくなる中、剣道を継承していくことも大きな役割だ。「おはようございますと挨拶できない大人も子どもも増えているように思う」。だからこそ、今の社会に必要なのは剣道の精神「礼に始まり礼に終わる」だと考えている。
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