一人芝居で教育問題を語る活動で知られる福永宅司さんが3日、港南公会堂で講演を行った。「小中学生の自己肯定感の育成」をテーマに芝居を披露し、子どもたちに勇気を与える言葉や誇りある言葉を伝えてほしいと訴えた。参加者らは舞台を通じ、家庭や地域の子育てへの理解を深めた。
「港南区青少年育成研究会」として、区内青少年指導員やPTA、子ども会、少年補導員、主任児童委員(民生委員児童委員)の各組織で構成される港南区青少年健全育成を推進する会(藤田誠治会長)が主催した。今回で47回目。地域が青少年に関する問題への知識を深める場として、様々な講師を招き、毎年開催している。
今回の講師、福永さんは小学校教諭を22年間務めた後に独立し、現在は子どもの学び館代表取締役を務めている。教育問題の語り部として全国で一人芝居の講演を行い、各メディアで取り上げられている。
この日、演じたのは山田洋次監督の映画『十五才 学校IV』。不登校の中学3年生の少年が家出をして屋久島を目指し、旅先で出会った人々との交流を通じて成長していく物語。イス1つで芝居を繰り広げた。
福永さんは「(劇中のセリフの)『いい15才だね』と大人から勇気をもらえる言葉をかけてもらうことで、(主人公に)自尊感情が芽生えていった」と解説。「親は責任感から子どもに否定的な言葉をかけてしまう。誇りある言葉で幸せにしてほしい。地域の大人はわが子と思って共に幸せな子育てをしてほしい」と自己肯定感を高める大切さを訴えた。会場には涙を流す参加者の姿も見られた。
講演後は参加者が4グループに分かれて意見交換会を行った。参加者は「言葉が大事。子どもの話を聞く機会を作りたい」「地域の中ではまずあいさつから始め、顔の見える関係を作りたい」などの意見が上がっていた。
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