保健師として神奈川県看護賞を受賞した 近藤 政代さん 栄福祉保健センター長 59歳
人を繋ぐまちの仕組みを
○…県内の保健師、助産師、看護師などを対象として、長年の功労や顕著な業績をあげた人に贈られる「神奈川県看護賞」をこのほど受賞した。「受賞は個人だけど、多くの人に支えられて仕事をしてこられた。地域住民をはじめ、周りの人への感謝の気持ちが大きい」。保健師として担当した各部署で、それぞれが抱える課題と向き合ってきた。
○…市大附属病院で看護師として3年間働いた後、退職して保健師の資格を取得し、25歳で横浜市に入庁。各区や市の部局を経て、昨春から栄福祉保健センター長を務める。人のためになる仕事をと看護師になったが、学生のころに脳性まひがある少女とその母親と出会い、保健師を目指すようになった。「地域で普通に暮らすことがいかに大変か。病院の中だけでなく、退院後や病気の予防にも関わりたいと思った」
○…必要があれば仕組みそのものを見直してきた。「問題があると枝葉末節に目が行きがちだけど、『本質は何か』をいつも自問してた」。例えば小児対象の訪問看護は以前からニーズがあったが、従来は対応できる看護師がほとんどいないという課題があった。人材育成のため、民間事業者を対象に研修プログラムを作り、研修を実施して、既存の訪問看護ステーションが小児に対応できるよう尽力した。「必要だと思った人がやるしかない。誰かがやってくれるわけじゃないから」。予算化するため、休日も使ってデータや論文など説得材料を集めた。「あの制度があってよかった、助かった、という人の声がやりがいになってる」
○…鶴見区出身で5人姉妹の長女。「自分ではのんびりした性格だと思う」。おにぎりと水筒を持って公園に出かけ、木々や鳥を見るのが息抜き。「栄区は緑が多いから、四季を感じられて幸せ」と笑顔を見せる。「まちには人と人がつながり合う仕組みが必要」。誰もが安心できるまちへ、1歩ずつ歩みを進める。
|
<PR>
|
|
<PR>