振り込め詐欺の被害件数が今年に入り急増している。5月末までに港南区内は19件(前年同期比16件増)、栄区内は15件(同7件増)と前年よりも大きく増加。犯行グループからの電話が引き続き多数かけられており、阻止しにくい新たな手口も増加している。
オレオレ詐欺、架空請求詐欺、還付金詐欺など、さまざまな手口がある振り込め詐欺。県内では昨年1年間で1286件、40億8700万円と未だ多くの被害を出している。
金融機関などの協力もあり、港南区内では昨年5月末時点での被害が3件約700万円だったが、同時期の今年は19件約5000万円にものぼる。栄区内もほぼ倍増の15件2500万円の被害となっている。
被害が拡大している要因の1つが、「カード交付型」と呼ばれる新たな手口の増加だ。暗証番号とともにキャッシュカードやクレジットカードを犯人に渡してしまうというもので、ATMから容易に現金を引き出されてしまうという。
これまで金融機関では被害の多い高齢者を中心に、窓口で多額の現金を引き出す場合や電話をしながらATMを操作している人などに声をかけ、被害を未然に防止してきた。一方でカード交付型は若い犯人がATMから引き出すため、1件当たりの被害額は低くなっているものの一般の利用者との区別が困難だという。
「カード渡さないで」
実際のケースでは、百貨店などを騙る犯人から「あなたのクレジットカードを使おうとしている人がいる」との連絡があり、架空の金融協会から「警察が向かうので、本物のカードを預けてください」と伝えられるという。その後、私服警察官を装った犯人がカードを受け取りに訪れ、「暗証番号も必要なので」と聞き出すという。
栄警察署の担当者は「カードを警察が預かることはまずない。見知らぬ人にカードや暗証番号を渡さないことはもちろん、詐欺に対しては思い込みをせず、確認することも必要」と注意を呼びかけている。
また港南警察署の担当者も「詐欺の電話があったとの報告は毎日寄せられている。それを氷山の一角とみると、相当数の電話がかかってきているということ」と警鐘を鳴らす。
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