港南区内で2カ所の障害者地域作業所を運営するNPO法人F&H(磯田巧理事長)が活動20周年を迎えた。10日にウィリング横浜(上大岡西)で記念式典を行い、近隣住民らと節目を祝った。
活動のきっかけは、1996年に施設長を務める河内良一さん(60)が障害者のための地域作業所「フラワーロード」を港南区芹が谷に立ち上げたこと。当時区内に作業所が少なかったこともあり、利用希望者は増加し、3年後の1999年には港南区港南に「Honey Bee」を開所した。
現在は2カ所で計47人が情報誌配布や野菜作り、自動車部品の組み立て、工芸品制作に取り組んでいる。
NPO法人となった2011年から理事長を務める磯田巧さんは「作業所に引きこもるのではなく、地域の中で顔の見える関係を大事にしてきた。そのスタンスを崩さず、今後も住民との絆を強めていきたい」と記念式典であいさつした。
「外」での活動を重視
市内の障害者施設で職員として働いていた河内さんは「利用者40人に対して、当直の職員はわずか1人。障害者の自立支援といいながら、実情は『管理』優先だった」と20年前を振り返る。また「施設の中は安全で快適かもしれないが、職員や家族が『囲って』しまうことは障害者にとっての最大のハードルかもしれない」と考えるようになった。
そこで自ら地域に開いた作業所を立ち上げようと決意したが、近隣住民の理解を得られないこともあり、場所の確保から難航し、また作業所外の活動を不安視する声もあった。「20年経って、こうして皆さんが集まって祝ってくれるというのは感慨深い。これからも課題は多いが、利用者や家族が安心した生活を送れるように取り組みたい」と河内さんは話した。
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