栗原医院の院長で在宅医療の推進・普及に取り組んでいる 栗原 健さん 港南区大久保勤務 51歳
患者さんのため、妥協しない
○…在宅医療の推進に取り組む医師として、12月1日に東永谷地域センターで開かれた在宅医療に関する懇談会で講演した。地域住民や福祉関係者ら約80人を前に「人間らしくより良く生きられること」の大切さを説いた。自宅で看取られるためには「本人が希望し、家族も同じ考えであることが大切」と語り、「最期を看取ることが出来なくてもそれまでの過程が大切」と呼びかけた。
○…「まず入院させないことが重要。入院で足腰が弱くなり、病気が治っても寝たきりなってしまうことがある」。院長を務めている港南区大久保の栗原医院は今年で51年。長年、地域医療を支え、父の引退で引き継いでから17年経つ。昨年までは港南区医師会で在宅拠点事業運営委員会の委員長も務めた。「一人暮らしの高齢者は孤立しがちで目が届きにくくなる。どう見守っていくかが重要」と指摘し、「一人ひとりが地域とコミュニケーションが取れていることが重要。外に出て社会参加してほしい」と訴える。
○…自身はもともと外科医。「何かモノを作ることが好きだった。自分の腕一本で病気を治すという職業に憧れた」。慈恵医大を出て病院勤めをしていた時、「(患者を)ずっと病院にとどめておいていいのだろうか、きっと家で最期を迎えたいと思っている人も多いはず」。そう考えるようになった。その当時ではまだ少ない在宅医療専門の先輩医師の影響もあり、その道へと大きく踏み出した。
○…「熱くなる性格」と自己分析。院長として職員が一丸となって患者を診るのがモットー。厳しくなる場合もあるというが、「全ては患者さんのため。妥協したくない」。今では学校医として地元の子どもたちの健康を見守り、予防接種にも積極的に取り組んでいる。「地域の人にお世話になってこの仕事をさせてもらっている。地域に貢献できることを探りながら医療を続けていきたい」
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