港南区・栄区版 掲載号:2018年7月5日号
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円海山域の昆虫調査を40年近く続け、31日に港南台地域ケアプラザで講座を開く 久保 浩一さん 金沢区在住 58歳

存在を認め合うということ

 ○…港南台地域ケアプラザで7月31日に「ホタルのふるさと港南台」と題した自然講座を開く。栄区から磯子区、金沢区にまで広がる「円海山」域で昆虫調査を40年近く続け、体験談をもとに話す。とりわけ港南台と接する栄区瀬上地区は、緑地の最北端に位置し、今なおホタルが見られる自然豊かな場所として地元住民に親しまれている。

 ○…新任教師として上郷高校に赴任したのが調査のきっかけだった。日本史の教師だが、部活動を通じて生徒たちとフィールドワークにも取り組んできた。20代の頃、5年10年あればやり遂げられるだろうと着手したが、「1つの種の生態は単純でも、生態系というものは調べていくにつれ複雑だと分かる。一生を費やしても解明は難しい」と苦笑する。同校が横浜栄高となる時期に再び着任し、これまでに調査は2500回以上に及ぶ。

 ○…金沢区出身で横浜市立大学に在学中、先輩から「実験に必要だから、蝶をたくさん捕まえてきて」と網を渡された。振り返ればそれが今の道に続くきっかけで、当時向かったのも円海山域だった。「採集してみると蝶だけで30種以上もいるということに驚かされた」。一方で、円海山域には80年代頃まで4500種以上の昆虫がいたが、その1割の約400種が姿を消してしまったという。「希少種が絶滅したのではなく、当たり前にいたものがいなくなっている」

 ○…自然の保護について「トキのような分かりやすい存在とは違い、昆虫の希少種の価値を一般的に感じてもらうのは難しい」という。それでも生物多様性を「小さな虫も生態系の一員。互いに存在を認めあうことの大切さは人間同士の関係にも通ずる」と語る。無数の小さな命と向き合い伝えたいのは、「心のゆとりの大切さかもしれない」。

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