港南区・栄区版 掲載号:2019年1月1日号
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栄区出身村田勝利さん 右足でつかむ「明日の居場所」 アジアでプロサッカー選手の夢叶え

スポーツ

 大人になってもサッカー選手でいるためには――。一握りのトップ選手はプロとしてJリーグで、さらに近年では欧州や南米のクラブでも活躍している。また社会人サッカーで仕事と両立しながら現役を続ける選手もいる。そんな中、強豪国とはいえないアジアの国で「プロサッカー選手」としての道を歩む若者がいる。

 栄区出身の村田勝利(しょうり)さん(25)=写真=がその一人だ。庄戸中出身の村田さんは名門・桐光学園高校時代に全国大会に出場。関東学院大学を卒業後、2016年にラオス1部リーグのラオ・トヨタFCに加入すると、翌17年のリーグ優勝に貢献した。18年4月に移籍したモンゴル1部リーグのアスレチック220FCでもカップ戦優勝というタイトルをチームにもたらした。

 輝かしくも見えるその経歴はしかし、挫折と軌道修正の連続だった。

挫折の中で見つけた道

 「大学を卒業する時に、一度はサッカーをやめようと思ったんです」。卒業を控えた4年時にはJリーグのいくつかのチームと入団交渉もしたが、提示された契約内容はとても厳しいものだった。

 周囲の友人たちが就職して働き始め、焦りを感じ始めていた矢先、知人がシンガポールでプロサッカー選手としての道を歩んでいることを知る。「考えもしなかった選択肢。すぐに面白そうだと思った」。英語が話せないことなど構わず、身ひとつでカンボジアに渡った。

 現地で契約の話が出るまでは早かった。だが手続きが滞り、結局カンボジアからタイを経てラオスでチームが決まった。「チームは違うポジションの選手を求めていたけれど、『できます』と売り込みました。ボランチをやってきたので、FWは小学生以来だった」

 サッカーだけで生計が立てられるほど、待遇は十分で物価も安く、「居心地は良いし、暮らしも気に入っている。乗り物が約束通りには来ないことを除けば」。だが、「外国人選手」としてシビアに結果を求められる立場に安定はない。2年契約の途中だったある米国人選手が、2カ月分の給与とともに2時間後の飛行機のチケットを渡されたのも目の当たりにした。

 「明日の居場所は自分でつかむしかない。そのひりひりした緊張感は自分の性に合ってる」。20代半ばは選手としてまだまだ可能性を秘めている。「日本では難しいけど、こっちで上に行けば大きな国際大会の舞台にも立てる。将来のことは分からないけど、今はいけるところまでいってみたい」

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