横浜市はこのほど、高速道路や国道1号・16号線など、市内主要幹線道路20路線に面した沿道建築物のうち、旧耐震基準で建築された建物について、所有者等に義務づけた耐震診断の結果を公表した。これによると「耐震性なし」と分類された建物が336件に上ることが分かった。
2013年に施行された「改正耐震改修促進法」を受けて公表した。同法は大地震で沿道の建物が倒壊し、避難や救急、物資輸送などの大動脈となる道路の通行が阻害されることを防ぐことが目的。地方公共団体指定路線の沿道にある対象建築物所有者などに耐震診断結果の報告を義務づけ、公表することとしている。
市内で該当する建物は公共建築物で12、民間建築物で453の計465棟。これらについて、震度6強から7程度の大規模地震での倒壊・崩壊危険性の報告を受けた。結果、336件に耐震性がなかった。建築物の概要や診断結果、耐震改修等の予定などは、建築局ホームページと同局窓口で公表。市は「災害は備えが重要。公表内容は、身の回りの防災情報の一つとしての位置づけでもある」としている。
制度周知で改修へ
30年以内の横浜での大地震発生予測は80%以上とされ、市は「必ずやってくる」として防災計画を進めている。災害時の初動対応に遅れを生じさせないためにも、改修促進にはスピード感を持った対応が求められる。
ただリスクは承知していてもすぐに工事に踏み切れないという建物所有者の声もある。住宅・店舗・事務所など建築物の用途は様々な上、資金やテナントとの関係といった課題が主な理由だ。
こうした中、市は支援策として2017年から「耐震トータルサポート事業」を開始。建築士やファイナンシャルプランナー、弁護士など専門家によるアドバイスと設計・工事補助により、計画的な耐震化を促すものだ。ここ2年間での活用は35件。市は「制度の周知と耐震への啓発を一層推し進めていきたい」と話している。
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