2020年の年頭にあたり、本紙では栄区の星崎雅代区長にインタビューを行った。区政の基本方針ともなる「都市マスタープラン栄区プラン」の策定や栄区の魅力発信などについて語った。 (聞き手/本紙・伊藤圭)
――昨年4月に区長に着任されましたが、昨年の事業や取組を総括すると、どのように感じていますか?
「着任以降、さまざまな場所へお伺いして直接お話を聞かせていただきました。区民の皆様には温かく迎えていただき、心から感謝しています。地域、学校、企業など幅広い方々とのつながりを大切にしながら区政運営に取り組めたのは、区民の皆様のご協力のおかげだと考えています。
昨秋には大型の台風が相次ぎ、区役所を挙げて対応しましたが、地域でも自主的に避難所を開設していただき、安全と安心の確保ができました。また栄区は、国際認証の『セーフコミュニティ』を取得し、安全・安心なまちづくりを目指して継続的に取り組んでいますが、熱意と行動力ある区民の皆様と、共感や感謝の気持ちで寄り添う区職員が両輪となって、様々な事業の成果が得られたと感じています」
――昨年は「都市計画マスタープラン栄区プラン」の改定に取り組み、区の自然環境や伝統文化、歴史などの地域資源を生かした栄区のブランドづくりも進んだと思います。今後の取組についても教えてください。
「区内では本郷台駅、大船駅北口の駅前開発や、横浜環状南線の整備など様々な事業が進められています。このような現状に加えて皆様からのご意見をもとに、昨年は都市計画マスタープラン栄区プランの改定原案を公表し、今年3月の改定に向け取組んでいます。
ここで策定する方針を基に、誰もがこのまちに愛着を持ち、暮らし続けたいと思えるような魅力あふれる生活文化都市を目指します。
また昨年は、海外からお越しの方に日本文化を体験していただく交流事業も実施しました。今年はいよいよ東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。この機に、スポーツ・文化活動を一層盛り上げていきたいと思います。
さらに栄区のブランドづくりとしては、豊かな自然のPRや新たな魅力発見の契機となるよう『栄区の自然フォトコンテスト』を開催し、多くの皆様からご応募いただきました。区民まつりでの投票ブースでは、数々の素晴らしい作品に足を止めて真剣にご覧になるお客様をお見かけしました。これからも自然環境や伝統文化、歴史、栄区ならではの魅力の発信に取り組んでまいります」
――栄区は市内の中でも高齢化が進んでいる一方、要介護認定率の低さも大きな特徴です。地域ぐるみによる高齢者支援や健康づくり、郊外の再生などについて今後の展望を教えてください。
「昨年は認知症対策として、今後介護を迎える世代の方々に理解を深めていただこうと、パンフレット『親が認知症かも…と思ったら』を作成しました。また認知症に早期に対応できる体制作りも進めています。
また区民の皆様の健康寿命を延ばすことを目的に『健康長寿 さ・か・え』の取組を進めています。昨年は55歳から84歳まで無作為抽出の区民1万2600人を対象に健康状態実態調査を実施しました。その結果を区民の皆様と共有し、健康長寿の3要素『運動、栄養、社会参加』に気軽に取り組めるようなツールとして現在『健康応援ノート(仮称)』を作成中です。調査結果やツールを活用し、区民の皆様が元気に生き生きと過ごせるまちにしていきたいと考えています。
また少子高齢化に伴い、郊外住宅地では買い物などの生活利便施設や公共交通などの維持が困難となってきています。地域によっては、買い物支援のための移動販売を開始し、移動手段として電動カートの実証運行が行われるなど、地域と企業が連携した取組が進められています。
このほかそれぞれの地域で、サロン活動等の取組も活発に行われています。これらの取組みを引き続き支援していくとともに、高齢者の方々が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための地域づくりを進めます」
――区民の皆様へメッセージをお願いします。
「栄区は活発な福祉・文化・スポーツ活動や、緑豊かな自然環境、鎌倉郡の名残がある歴史資産
が随所で楽しめることなど多くの魅力があります。これらを生かし、今年も創意工夫を凝らしながら地域や関係団体、企業の皆さまと共に各種取組を進めてまいります。
そして、これからも積極的に現場にお伺いすることを心がけ、直接皆様の声をお聞きしながら、『やさしく・楽しく・みんなで・タイムリーに』を合言葉に、栄区の魅力創出をしていき、また国際認証セーフコミュニティの推進による安全・安心なまちづくりに取り組んでまいります。
本年も区政運営にご支援、ご協力をお願いします。そして皆様の御健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます」
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