民生委員児童委員を長年務め、県民功労者表彰を受賞した 大久保 展代さん 港南区野庭町在住 72歳
寄り添った「お節介」を
○…民生委員児童委員として長年地域の福祉活動に尽力してきたことが称えられ、このほど神奈川県県民功労者表彰を受賞した。長女が中学を卒業した頃に委員になり、今年で28年目。少しずつ負担も増えてきたはずだが、「辞めたいと思うことはなかった。自治会や管理組合をはじめ、親身になって力になってくれる人が多かったから」と笑顔で振り返る。
○…担当する300世帯の雰囲気は以前とは大きく変わった。高齢者は数えるほどだったが、今では半数近くが高齢夫婦という。一時期は200人もの子どもが参加していた子ども会も、ついに無くなってしまった。そんな中でも「委員の役割はご近所付き合いの延長線上にある。相手に寄り添ったお節介で、同じ住民として役立てたら」と姿勢は変わらない。
○…岡山県倉敷市に生まれたが、子どもの頃は父の仕事に伴って全国を転々とし、慣れない土地で3人の弟妹の姉として気を張っていたという。その後、短大に進んで栄養士になり、乳製品メーカーに勤めたことが一つの転機となった。新米ママたちへのミルクの作り方指導などを担ううち、人と話す楽しさをおぼえていった。また「相手によって言い方を変えたり、大事なのはおしつけないこと」と今の役割にも通じる姿勢を学んだ。
○…「野庭で過ごしている時間が一番長い。一番の私の居場所」。長男が小学生の頃、少年サッカー「野庭キッカーズ」に入ったのを機に夫もコーチとなり、週末は家族ぐるみで汗を流した。子育て中に築かれた人間関係はその後も続いて広がり、見守り活動の難しい今のコロナ禍にあっても支えとなっている。「長いからいろんな人を頼れるし、相談もしてもらえる」。愛のある工夫で温かく地域を包む。
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