2021年の年頭にあたり、本紙では栄区の冨士田学区長にインタビューを行った。新型コロナの影響が地域に及ぶ中、防災・減災の強化や駅前開発を含めた栄区の魅力づくりについて語った。 (聞き手/本紙・伊藤圭)
――昨年4月に区長に就任されましたが、昨年を振り返って、まずは率直な気持ちをお聞かせください。
「昨年4月の着任早々から、公共施設の臨時休館や区役所事業の中止・延期、新しい生活様式の実践など、区民の皆さまにご協力をお願いすることが数多くありました。
新型コロナウイルス感染症の影響で、地域では様々な制約がある中で活動せざるを得なかったことと思います。区民の皆さまには、感染拡大防止に努めていただき本当に感謝しています」
――昨年はコロナ禍で区政運営も難航されたかと思いますが、その中でも区役所としてどのような事業に取り組まれましたか?
「まずはじめに防災についてですが、昨年は新型コロナウイルス感染症を考慮した地震・水害に対する備えに取り組みました。具体的には、区民の皆さまへの『避難所マップ風水害編』の配布をはじめとした情報提供、地域防災拠点への感染症対策資機材の配備や運営に携わっていただく際のポイントをお伝えする研修を実施しました。警察・消防・医療機関など関係機関の皆さまとも、地震・水害発生時の感染症対策について協議を重ねてきました。
そしてまちづくりでは、誰もが愛着を持ち、暮らし続けたいと思える魅力あふれるまち、多くの人が訪れるにぎわいのあるまちを目指し、本郷台駅や大船駅の駅前開発や、横浜環状南線の整備など様々な事業が進められています。さらに年末には、本郷台駅前で整備を進めている地域ケアプラザ、地区センターと区民活動支援センターの複合公共施設の名称を『SAKAESTA(さかえすた)』と、施設の利用代表者などによる選定委員会の皆さまに選定していただきました。今年の12月には開所を予定しております。
また、第4期栄区地域福祉保健計画『さかえ・つながるプラン』については、今年3月の完成を目指し、策定に向けて進めておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響が地域の活動にも及んだため、策定スケジュールを約半年間遅らせざるを得ない事態となりました。
そのような状況の中ですが、新しい生活様式や活動のかたちを模索し、できることを地域の皆様と考えながら、一歩一歩着実に計画を策定しています。栄区が今まで以上に暮らしやすいまちになるように、地域の皆様と一緒に第4期計画をつくっていきたいと考えています」
――コロナ禍で従来通りの区政運営も難しいかと思いますが、新しい生活様式やSDGsと言った点を踏まえて、2021年(度)の区政運営の考え方を教えて下さい。
「2021年(度)は、【1】まちの魅力づくり、【2】みんなが支えあい・助け合い、安心を感じるまちづくり、【3】防災力・減災力の強化、【4】地域に寄り添う区役所の推進といった点に注力していきます。
『まちの魅力づくり』では、区民の皆さま同士の新たなつながりづくりを進めるためのご支援、商店街の活性化に向けた取組や花を感じる空間づくりを関係団体の方々と連携して進めることで、栄区の魅力を向上させます。また、これまで本郷台駅周辺で整備されてきたオープンスペースを活用し、魅力的で賑わいのあるまちづくりに取り組みます。
『みんなが支えあい・助け合い、安心を感じるまちづくり』では、地域の方々や関係機関と連携しながら、第4期栄区地域福祉保健計画を策定し、子育て支援や障害児・者との交流事業、高齢者の地域ケアなどを推進します。
また『防災力・減災力の強化』として、地震、風水害時に区民の皆様に適時・適切な避難をしていただけるよう取組を進めていきます。特に、情報発信の体制を充実させ、地域特性に応じた対策を強化するとともに、新型コロナウイルス感染症対策を確実に行いながら自助・共助・公助の取組を進めます。
『地域に寄り添う区役所の推進』という点では、地域ニーズや社会情勢の変化に適切に対応するため、地域の声を伺うことにより、区民の皆様に寄り添った行政サービスの提供につなげていくことが重要だと考えています」
――区民の皆様へメッセージをお願いします。
「新型コロナウイルス感染症の拡大により、働き方や暮らし方など私たちの生活も様々な変化が起きています。『新しい生活様式』を念頭に置きながら、区民の皆さまとともに、やさしさがあふれ、人とのつながりを実感できるまちづくりを進めていきます。
また、東京オリンピック・パラリンピックの準備も進められています。感染症対策を十分に行いながらスポーツや文化活動を盛り上げてまいりたいと思います。
本年も区政運営にご支援、ご協力をお願いいたします。皆さまのご健勝とご多幸を心からお祈り申し上げます」
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