港南消防署(櫻井清二署長)が10月25日、開設から50周年の節目を迎えた。時代とともに災害も変容する中、安全安心のために活動を続けて半世紀。本紙ではこれまでの変遷を振り返り、櫻井署長に話を聞いた。
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港南消防署の前身となるのは1951年に開設された南消防署管轄の港南消防「出張所」。その後、南区からの分区によって69年に港南区が誕生すると、2年後の71年に港南消防署として新たにスタートした。発足当初は職員75人に対し、火災61件、救急出場1480件だった(2020年は火災41件、救急出場1万1428件)。
宅地造成などで区内人口が増加するのに合わせ、昭和50年代に野庭、港南台、上永谷、芹が谷に消防出張所を開設。区内全体をカバーする現体制が整った。2017年の港南区総合庁舎建替で、港南消防署も現在地に移転した。
時代と災害に対応
港南区内でも上大岡や港南中央通に工場の多かった昭和の時代には、木造住宅も多く「火災」が災害の中心となっていた。その後、平成に入ると、阪神大震災を機に都市直下型の震災による建物倒壊への対策が進められた。さらに東日本大震災では津波の脅威も改めて認識させられた。
また近年では、従来の想定を超える豪雨などによる風水害の対策も呼びかけられている。
住民の絆が「最重要」
櫻井署長は「中でも最大の被害をもたらすのが震災。いつ、どこで起きるか分からないが、必ず起きるとされているためやはり備えが必要」と話す。そんな中で重要なのが「地域の絆」という。
「お祭りなどの行事も顔の見える関係づくりにつながる。いざという時の災害対応力を強める非常に重要なもの」。コロナは令和の大きな脅威となっているが「その中でどう対応していくかが課題。まち全体で防災を進めていきたい」と櫻井署長は語る。
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