芹が谷やまゆり園の園長としてこのほど新園舎への移転を完了した 守 民夫さん 港南区芹が谷在勤 50歳
その人らしくあるために
○…障害者支援施設「芹が谷やまゆり園」の新園舎がこのほど完成し、12月に移転が完了した。2017年に相模原から仮移転して4年、新園舎で新たなスタートを迎えた。同施設では現在、知的障害のある入所者54人が昼夜を過ごし、日中は就労支援などに取り組む利用者もいる。「きれいで立派な施設に利用者のみなさんも喜んでいます」
○…思い返すのは2017年4月。津久井やまゆり園での事件のあと、施設の建替期間中の仮移転先となったのが芹が谷にあった県立知的障害者施設「ひばりが丘学園」の跡地だった。当時は総務部長を務め、地元から反対される不安も抱きながら住民説明会を開いた。そんな気持ちを払拭するように地元住民から「よく来てくれた。安心して来てほしい」と迎えられたという。「支え続けて頂いたことには本当に感謝の思いばかり」と思いをかみしめる。
○…海老名市出身。福祉系の大学に進み、3年の時に出会った脳性麻痺の男性から大きな影響を受けた。身体が動かせないながらも、若者に指示を出したり、生き生きと暮らすその男性の姿が印象的だった。「その人の意思で切りひらくのが人生。介助者は脇役でしかない」。だからこそ、福祉施設でも利用者第一を常に考えてきた。「事故を起こしてはいけない。けれど安全だけを追求する結果、行動や生活を過度に制限するのもまた、利用者本位でない」
○…かつてのひばりが丘学園がそうであったように、近隣の小中学との交流も盛んだ。敷地内の花壇を整備してくれたのは芹が谷の地域作業所「フラワーロード」という。「施設は終の棲家でなく、いずれは地域へ。そのサポートをしていきたい」。優しい眼差しで未来を見つめる。
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