将棋のプロ棋士養成機関として知られる「奨励会」。羽生善治さんや藤井聡太さんなどもかつて在籍した同会に昨年9月、栄区・小菅ケ谷小学校6年の佐々木翔君が入会した。以前は「プロになれるならなりたい」と話していた佐々木君だが、今は「なれるように頑張らないといけない」と気を引き締めている。
佐々木君が「さなる杯小学生将棋名人戦」の県予選会で初優勝したのは3年生の時。同大会は小学生将棋の最高位ともいわれる大会で、当時は豊田地区センターに通って同級生らと将棋教室で指導を受けていた。5年夏からは日本将棋連盟の「研修会」に入会して腕を磨き、さなる杯県予選会で2度目の優勝。さらに東日本大会も勝ち上がって決戦大会に進み、準優勝に輝いてトロフィーを手にした。
研修会でも好成績を収め、このほど条件を満たして奨励会入りを果たした。今は瀬川晶司棋士(港南区日限山中出身/六段)を師匠とし、月に2回ほど都内の将棋会館に通って強いライバルたちと切磋琢磨している。
一方で、日常に戻れば「地元の広い公園で友達と鬼ごっこをするのが結局楽しくって」と話す小学生らしい一面も。夕方5時まで公園を駆け回り、帰って宿題を済ませる。夕飯などが終わり、夜の時間を将棋の時間にあてているという。
「いつかは4強と」
真剣勝負の将棋の日々の中「余裕はないけど、経験は自信に繋がっている」との手応えもある。12月には早くも奨励会で5級に昇級した。だが奨励会の会員のうちでもプロ棋士になれるのは約2割ともいわれる狭き門。年齢制限もある厳しい世界だからこそ「楽しんでやっていかないと、どこかで辛くなる」と前向きに歩みを進める。
プロになったら――。今の将棋界をけん引する藤井聡太さんら「4強」棋士との対局が目標だ。「いつか対局してみたい」。静かに大きな夢を見つめている。
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