老人福祉センター「蓬莱荘」の所長として3年ぶりに大浴場の利用を再開する 本荘 安宏さん 青葉区在住 62歳
認知症対策を一歩ずつ
○…港南区の老人福祉センター「蓬莱荘」の大浴場は近年、施設改修や感染対策で休止が続き、このほど3年ぶりの利用再開を迎える。60歳以上の市民などが無料で利用できる施設とあって、再開時期の問合せも後を絶たなかったという。浴槽はリニューアルで一新し、「きっと皆さまに喜んでもらえるのでは」。さらに「高齢者の利用施設として、認知症対策にも貢献できることがあるはず」と力を込める。
○…一方で感染対策として従来とは運用が異なり、完全予約制とした。施設で「お風呂カード」を作ってもらった上で1週間単位の事前予約を受け付け、1月29日から利用を開始する予定だ。人数制限があることや今後の感染状況によっては再度利用を休止せざるをえない事態は懸念点だが、「週に2回以上の利用者も少なくなく、衛生ライフラインを担っているともいえる。できる限り利用機会を工夫したい」と思いを語る。
○…岐阜県出身。岐阜高から京都大学に進み、卒業後は情報機器メーカーに。米国子会社に10年ほど出向してMBAも取得したが、何より驚いたのが医療費の高さだった。「救急病院でも『支払い能力はあるか?』というやりとりがある。日本の国民皆保険制度のありがたみをしみじみと感じた」。第二子を乳幼児突然死症候群で失った経験や、帰国後に母が認知症の一種「ピック病」で亡くなったこともあり、医療分野への関心や思いが強まっていった。
○…地域で認知症対策に取り組めば、医療費を抑えられ、それはひいては現行の保険制度維持にもつながる。そんな思いから蓬莱荘で働くようになった。孫娘との束の間の時間に癒されながら「次世代のためにも、できることをやっていきたい」と力を込める。
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