活動10年でこのほどNPO法人化した「てとてと陽だまり」の代表を務める 植木 美子さん 芹が谷在住 49歳
人と人とを「食」でつなぎ
○…「芹が谷に誰もが集える居場所を作りたい」――。そんな思いで活動を続けてきたコミュニティー「てとてと」。店舗を改装した拠点には、小さな子どもを連れた母親や高齢者がかわるがわる訪れ、その一人ひとりと笑顔で交流を続ける。町内会館やケアプラザで母親仲間とともに「親子ひろば」から開始した活動は10年の節目でNPO法人化し、新たなスタートを切った。
○…10年の間にさまざまな地域課題にもふれ、子育てと介護が同時期に重なる「ダブルケア」やフードドライブの支援にも向き合ってきた。活動は幅広いが、その中で中心は「食」といい、近隣への手づくり弁当の配達やおむすびの販売など「おいしく楽しく食べることで元気につながるし、誰かに食べてもらうのはうれしい」と語る。
○…戸塚区出身。活動のきっかけは長男が小学校に入った頃、街で見かけたある親子の姿。携帯片手に浮かない表情でベビーカーを押す母親の姿に、産後うつを経験した自身の「つらい子育て」を思い出した。「当時は地区センターで出会った母親仲間との日々に救われた。自分も何かできないかなって」。そんな思いで活動を続けてきたが、「誰かの居場所をつくるつもりが、それ自体私たちにとっても居場所になっていた」と話す。
○…てとてとのメンバーは現在約20人。「植木が頑張るから手伝うよ」。その言葉は少し前まで「もっと主体的に、同じモチベーションでいてほしいのに」と、もどかしくも感じていた。だが最近になって、ふと思い直したという。「一人ひとり、活動への思いやできることは違って当然。それなら私が看板を背負えばいいのかな」。暮らすまちに笑顔が増えたら――。そんな思いが背中を押している。
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