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戸塚区の補聴器職人・大槻さん 難聴経験生かし、聴こえの悩みに寄り添う
戸塚区下倉田町で「おみみショップ」を経営する補聴器職人・大槻公孝さん。自身も難聴を患っており、聴こえに悩む人に寄り添う仕事を行っている。その様子は昨年・一昨年とNHKで紹介され、「もう一度聴こえるようになりたい」と切実に願う人が日本全国から同店を訪れている。
大槻さんが志すのは、「全国の補聴器リテラシー(※)の向上」だ。「現在の補聴器は、超高性能で繊細な音響機器。十二分に活用するには、利用者側もしっかりと学んでいく必要があることを訴えていきたい」と話す。
※リテラシー…モノや技術の特性を理解し、使いこなす能力。
聴こえに喜びの笑顔
ある日、建築機械会社の代表を務める、千葉県の男性が同店を訪れた。男性は幼いころに難聴を患って以来、言葉を聞き取れず、慣れない発音や手書きによって意思疎通を行ってきたという。
ウェブで同店の存在を知り、意を決して来店。大槻さんに聴力データを測ってもらったところ「あなたよりも私の方が聴力が悪いよ」という言葉があり、男性は驚いたという。その後調整を施した補聴器を取り付けると、硬かった顔がみるみる和らいだ。「聴こえるよ!」。この満面の笑顔が、大槻さんのやりがいだ。
「高度で繊細な機器」
同店には加齢に伴う難聴に悩む人も多く訪れる。「加齢難聴は65歳以上で3割、75歳以上になると半数といわれている。それにも関わらず、自分にあった補聴器に出会えていない人や、しっかりと使いこなせていない人があまりに多い」という。
その理由のひとつに「補聴器リテラシーの低さがある」と分析。「補聴器は、たいへん高度で繊細な機器。利用者も扱い方をある程度身につけないと、十分に機能を発揮するのは難しい」と話す。
「高度で繊細な機器」といっても、利用者が抑えるべき点はシンプル。「正しい装着」と「日々のメンテナンスを大切に」ということだ。たとえば補聴器の部品に耳垢がたった一粒入っただけでも、音響条件は変わり、とたんに聴こえづらくなる。「人間が生まれ持った耳の機能は、きわめて絶妙なバランスで音を聴きわけています。それを補助する補聴器もまた、当然のことながら絶妙なバランスが必要とされるのです」
「よりよい人生を」
こうした繊細な機器だからこそ、「取り扱う職人も、日々知識を得て、技術を磨く必要がある」という。大槻さんは70歳を超えてなお「より良い聴こえ」にたいする探求に余念がない。「自分自身、良い補聴器に出会えたことによって、より良い人生が送れるようになった。そうした喜びを味わえる人を、一人でも多く増やしたい」と話す。
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