▼老朽化と耐震性の問題から浅間コミュニティハウスの閉館が決まり、西区が地元住民や利用者に西公会堂で説明会を開いたのが昨年2月。事前の説明もなく、機能を平沼集会場へ移転する提案を突然受けた住民側は反発、説明会は紛糾して計画は白紙になった。その反省を活かし、区は7月に地元から推薦を受けた地域代表16人と西区役所職員で構成する「検討委員会」を設置し、これまで計6回(2月7日現在)の会合を重ねてきた。現段階では閉館・解体後に同じ場所に新たな施設を作るのか、機能を分散移転させるのか、結論は出ていない。西区はこの委員会で「地域住民・利用者の声を計画に反映させてきた」と話すが、本当に十分な意見集約がされてきたと言えるか、疑問が残る。
▼同館はちょうど西区と保土ケ谷区の境に位置し、利用者の4割が区外。地域住民は「コミハの再建のためには数年間の閉館もやむなし」という一方で、長年会議室を利用してきた団体は「跡地利用よりも閉館後の活動場所の確保が喫緊の課題」と、それぞれ違う想いを抱く。閉館までの期限が迫っていることから、これまで検討委員会の会合では主に図書の移転場所について話し合われ、会議室利用者についてはあまり話がされてこなかった。また、区外からの利用者を委員会のメンバーに加えるよう区に要望しても「人数の都合などで許可されなかった」という。いたずらに委員の数を増やすのは得策ではないが、本当の意味で「利用者の声を反映するため」に数人でも区外の利用者が参加できる仕組みを作ることが今後は必要なのではないだろうか。
▼また一方で、利用者側からは「閉館後も解体するまで使いたい」といった区としては受け入れ難い意見もあがっていた。委員会に参加して、互いにとってよりよい結論を出すには、利用者にも建設的に話し合う姿勢が求められる。
▼この問題については「『新しい住民自治』を占う試金石になる」と指摘する声もあるが、果たしてこの1年でその形は作ることが出来たのか。全員が満足する答えを出すのは難しいが、「隣保館」からこれまで脈々と築かれてきた地域の中での同館の役割を存続するため、話し合いが大切なのはむしろこれからだ。
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