胃を切除した人たちの情報交換や交流を目的とし、2年前に「アルファ・クラブ横浜会」が発足。昨年は年2回の会合、また本格的な会則も作成するなど、同じ悩みを共有する仲間の輪が広がりを見せている。
「まずは手術によって命があることに感謝。でもその後の痛みや不安は誰に相談して良いのかわからなかった」と話すのは同クラブの渡辺宣明会長。「若い頃は”鉄の胃袋”なんて威張っていたんですけどね」と振り返る渡辺さんが、胃がんの手術を受けたのは5年前。胃の3分の1を切除する手術は成功。しかし術後に待っていたのは、腸閉塞。吐き気や痛みに悩まされた。「退院後はかかりつけ医への通院の間隔も空いてしまい、飛び込みで他のお医者さんに診てもらったことは何回もある」と常に不安を抱えた生活を送っていた。
数年前、たまたま行った病院で出会った同じ胃がん術後者との会話が、渡辺さんの気持ちを楽にしたという。「この苦しみは家族にもわからない。同じ悩みを共有する場を作りたかった」と、同クラブを立ち上げるきっかけになった。
一昨年、全国の胃を切除した人の情報紙に、同会の会員を募集したところ14人が集まった。「食事の摂り方や術後の症状など、とにかく話が尽きなかった」と第1回目の会合は、盛況に終わった。昨年の2回、今年の新年会の開催と順調に回を重ね、現在16人の会員が在籍する。
同クラブ副会長の高砂さんも、会の存在を知り参加した一人。「癌を告知された時のショックは今でも忘れられない。命はあるけれど、いつも死と直結して物事を考えていた」と振り返る。同じ悩みを共有する仲間と出会ってから、健康面での情報交換はもちろん、何よりも「自分だけじゃないんだと勇気づけられた。今ではみんなで集まることに生きがいを感じています」と力を込めて話す。
「これから手術を受ける人、受けた後に悩みを抱える人、そしてその家族の参加もお待ちしています」と会員を募集している。
問合せは、横浜市中区新山下1-8-27【電話】&【FAX】045・621・2360 会長の渡辺さんまで。
中区・西区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
80周年記念事業で地域のつながりを3月28日 |
|
<PR>