日赤神奈川県支部からニュージーランド地震と東日本大震災の被災地に派遣された 野口 理恵子さん 栄区在住 51歳
”ただそばにいる”ことの大切さ
○…多くの日本人留学生が犠牲となった「ニュージーランド大地震」の被災地に、被災者や家族の精神的な不安をサポートする「こころのケア」チームの一員として日本赤十字社神奈川県支部から派遣された。日赤が同チームを海外に送るのは初めてだった。「現地の家族の間には、日に日に絶望感が深まっていった。そんな中では”ただそばにいる”ことが大切で、少しでも安心感に繋がればと、マッサージをしながら思い出話などを聞いていました」と言葉を選びながら振り返る。2月27日に現地入りし、10日余りが経ったところで「3・11」を迎えた。
○…震災翌日には日本へ帰国。現地が落ち着いてきた4月末に釜石市に派遣された。現地の行政機関や医師会と協力しながら避難所などを回った。「被災地の状況はまさに悲惨で、言葉を失った。被害が大きすぎて、各地にできた避難所を把握するだけでも本当に大変だった」と話す。先の見えない不安で眠れない、突然涙が出て止まらないといった症状を訴える被災者たちの心のケアを続けてきた。
○…4ヵ月間苦しむ人々のそばに寄り添い続けた自身について尋ねると「心のケアをする人間にも相当の覚悟が必要。でも私は幸い仲間に恵まれた。それに、被災者の方からこの『赤い救護服を見ると心強かった』と言ってもらえた時は嬉しかった」と初めて白い歯を見せた。
○…南区生まれで現在は栄区在住。高校卒業後に看護師を目指し、看護学校卒業後は横浜赤十字病院に勤務。結婚後は夫の海外転勤などもあり、赤十字を離れたが、「縁あって」4年前に神奈川県支部に復帰した。「やっぱり私は赤十字が好きなのかな」と笑う。「今回の震災で感じたのは『人間は強い。必ず立ち上がる力をもっている』ということ。家族にはもうしばらく迷惑かけるけど、被災地で赤十字の助けがいらなくなる日まで役目を果たしていきたい」。
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