本牧通りを歩いていると、「当店の昔の頃の写真です」と書かれた貼り紙を見かける人も多いだろう。
「『これ、お宅の昔の写真じゃないですか』って個別に訪問もしたよ。みんな喜んでくれるもんなんだよね」。写真の提供者、大谷卓雄さんは自他ともに認める郷土史オタクだ。
30年ほど前、大谷さんは横浜スタジアムが遊郭だった頃が描かれている浮世絵と出会った。「私が野球で青春時代をおくった場所の過去を知って衝撃を受けた」。それをきっかけに、地域の歴史を辿る資料を集め始めたという。「段々と自分の住んでいる中区に焦点を絞っていったんだ」。地図、写真、絵葉書、古書などが中区の町名別に50音順に並ぶ。膨大なコレクションを保管するため、自宅の地下には中区町別歴史館をつくったほどだ。「本業(不動産業)より趣味に偏ってしまわないように気をつけなきゃね」と笑う。
街中に貼られた過去の写真には、海があった頃、市電が通っていた頃などの本牧が写っている。「長い歴史のある街。おもしろい歴史のある街だと思う」。変わりゆく街並みを、変わらない好奇心と、地域を思う心で見守り続ける。
中区町別歴史館を観覧希望者は【電話】045・621・1234大谷不動産まで。
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