今年で開園60周年を迎えた「横浜市立野毛山動物園」の園長を務める 市川 典良さん 西区在住 57歳
「同じ目線」で愛情を注ぐ
○…「お祝いというより、60年間支えてくださった地域の方々や来園者の皆様に感謝を伝えたい気持ちでいっぱいです」。野毛山動物園の園長として、10月から始まった周年事業と15日の式典に向けて忙しい日々を送るが、その顔は充実感と喜びに溢れている。同園には施設内駐車場がなく、来園者の多くは公共交通機関を使って野毛や日ノ出町の商店街を歩いて通う。「だからこそ他と比べて地域との繋がりが深く、地元には『野毛山動物園応援団』まで結成して頂いています。今回の60周年も園だけでなく地域全体でお祝いをして、今後も一緒に歩んでいけたらと思っています」。
○…園長に就任して2年目。昭和53年に獣医師として専門職採用で横浜市役所に入庁。保健所勤務などを経て、平成10年から旭区の「よこはま動物園ズーラシア」の開園準備に携わり、その後、横浜市繁殖センター所長などを歴任してきた。「本当は動物病院の医師になりたくて、2、3年間の社会経験のつもりで市の職員になったのですが、すっかり動物園の魅力にはまってしまいました」と白い歯を見せる。
○…動物とかかわる際に一番大切なことを尋ねると「上からではなく、彼らと同じ目線に立つこと。これはペットでも野生動物でも一緒です」と力説する。「現場主義」をモットーに今でも園内を回り、飼育している動物一頭一頭に優しく声を掛ける。園内で一番好きな動物は飛べない鳥の「カグー」。「羽を広げたときの見た目の美しさが好き」というカグーは、一般の人が動物園などで見学できるのは日本でも同園だけという貴重な鳥だ。
○…西区で生まれ育ち、現在も妻と子どもと暮らす。家でも昔から犬や魚、鳥などを飼い続け、「今でも毎朝の犬の散歩は私の役目」と笑う。定年後は野生動物の保護に携わりたいと話し、「やっぱり動物が好き。一生離れられないね」と目を細めていた。
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